BUTAKOME編集部

インタビュー

ジョン・キャメロン・ミッチェルさんSpecialインタビュー☆『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』SPECIAL SHOW ~失われた片割れを探すヘドウィグは日本人の心に響くと思う

2017/07/27


 

JCミッチェル01

 
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の生みの親でありオリジナルキャストのジョン・キャメロン・ミッチェルさんが10月に来日。 ジョンさんが伝説のヘドウィグを演じる姿が日本で見られる!!! まさにSPECIAL SHOWが実現します。

愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に“アングリーインチ(怒りの1インチ)”が残ってしまった、男でもあり女でもあると同時に、そのどちらでもないロックシンガー、ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、“愛”を叫び求める姿を描いた本作はブロードウェイをはじめ世界各国で公演され、「ヘドヘッド」と呼ばれるファンを生み熱狂的な支持を受けています。
 
2001年にはジョンさん自身の主演・監督で映画化され、日本でも大ヒット。さらに三上博史さん、山本耕史さん、森山未來さんがヘドウィグ役を演じて人気を集めました。

 
「人の存在意義は、愛し愛されるためにある」というジョンさんに、ヘドウィグへの思い、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』SPECIAL SHOWについてお話を伺いました。

 

伝説のヘドウィグ、日本に降臨!

 

――ブロードウェイでの『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』出演(2015年)以来、久々にヘドウィグとして登場するステージに日本を選んでくれたことに心から感謝します。
 
 最後に日本でパフォーマンスをしたのが2008年(山本耕史さん主演の『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』ツアーファイナル大打ち上げLIVE~「ジョンも来るよ!」)。ちょうどリーマンショックなんかがあって経済が大変なときだったんですよね。これもアメリカのせいだから、ヘドウィグとして皆さんに謝ります(笑)。とにかく、そのときからずっと、日本でもう一回やってみたいと思っていたんです。

 

――ジョンさん来日で、初めて『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』に触れる若い世代の方もいらっしゃると思います。改めて、この作品が生まれたきっかけを教えてください。
 
 プラトンの『饗宴』に出てくるテーマ、「Origin of Love(愛の起源)」をベースにして作品を作りたいと思っていたんですね。『饗宴』ではソクラテスやパイドロスが男性同士の愛を語り合っていたんですが、アリストパネスは男女にも当てはまる「愛の起源」を語ったんです。「愛の起源」とは、神様に引き裂かれた自分の片割れを探そうとすること。『饗宴』はとても魅力的な神話ですよね。そこから「自分の片割れを探している少年」というキャラクターが思い浮かんで、(ヘドウィグが愛情を注ぐ少年)トミー・ノーシスに発展していったんです。この役は僕自身がベースになっているんですよ。

 

――『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が最初に上演されたのは1994年、ニューヨークのライブハウスSqueezeboxですね。
 
 僕が『饗宴』からアイディアを練っているとき、偶然(『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』作詞・作曲の)スティーヴン・トラスクに出会ったんです。それも飛行機の中でね(笑)。本格的なロックでミュージカルを作りたいと思っていた僕とスティーヴンは意気投合した。その頃僕がオフブロードウェイの舞台に出ていたのを彼が見に来てくれたり、彼がCGBGでライブをやっているのを見に行ったりしたんですよ。そして、スティーヴンがハウスバンドをやっていたSqueezeboxで公演することになったんです。

 

――性転換手術に失敗したロックシンガーのヘドウィグは自分の片割れを探し求めている。少年トミーと出会って彼こそが自分の片割れだと思うけれども、トミーは逃げ出し、ヘドウィグの曲を盗作してスターに上り詰めてしまう……。作品の中ではタイトルもそのままに「Origin of Love」として、ヘドウィグが「失われた片割れ」への思いを歌います。これはとても美しいナンバーですね。
 
 そう、このテーマはアメリカだけではなくいろんな国の人の心に響くんだろうなと思うんです。特に日本には親和性を感じますね。神話的なつながりがある『君の名は。』という日本のアニメを見ましたが、恋人たちが前世から赤い糸で結ばれているという話はほの悲しく、ロマンチックですよね。だから、ヘドウィグのストーリーは日本人の心にもかなり響くだろうなと思うんです。

 

――2017年の今、これほどまで長く人々に愛されている理由は何だと思いますか?
 
 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のストーリーは時代性を問わない。タイムレスなものなんです。「愛の起源」というモチーフはとても普遍的なものですよね。もし仮に自分自身に片割れがいなかったとしても、片割れを探し求める気持ちは誰もが持ちうるものだと思うんです。それにスティーヴン・トラスクの書いた曲が素晴らしい。音楽も流行りすたりがない普遍性があると思いますね。

 

ヘドウィグ02

 

今回のSPECIAL SHOWはパーティとして楽しんでほしい

 
――今回の日本での『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ SPECIAL SHOW』はどんなステージに?
 
 SPECIAL SHOWは新たなファンには『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の世界へのイントロダクション、以前から『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を愛してくださっているファンにとってはセレブレーションとして堪能してもらいたいと思いますね。

 

――ではある意味、Squeezeboxでのパフォーマンスに原点回帰するようなものになる?
 
 そうとも言えるかもね。パーティとして楽しんでほしいし、皆でハグをし合って一緒に楽しんでもらいたい。自分たちが美しい何かの一部でいられた感動を味わってほしいなと思います。そして、これを見て何かを創造したいという気持ちになってもらえたら嬉しいですね。

 

――お客様にはどう楽しんでもらいたいですか?
 
 僕が芸術活動に勤しむのは、人のために役に立ちたいと思っているからなんです。僕の作品というのは見る方にとっての心の栄養になるみたいで、お客様がただひたすら追い掛け回すような薄っぺらいレベルで夢中になっているのではないことを感じます。

 今、世の中で必要なのはお互いに愛し合い、協力し合う気持ちを持つこと。僕の作品にはヒーリングという要素が多分にあります。物語を作るのであれば、皆さんの癒やしに役立つものでないと意味がないと思うんです。
 皆さんには人生を肯定するようなコミュニティの一部になれたと思ってもらえたら嬉しいですね。そして、愛のメッセージやジェンダーの垣根を取り払おうというメッセージを受け取って、周りの人たちにも広げてもらえたらいいなと思いますね。

 

――イツァーク役で共演される中村 中(あたる)さんについてはいかがですか?
 
 2008年のツアーファイナルでご一緒したときは、あまり長い時間を一緒に過ごせなかったんです。今回はじっくりと一緒に過ごしたいですね。中さんは日本のトランスジェンダーのパイオニア的な存在。いろいろ話してみたいですね。中さんに当時プレゼントしてもらった扇子は今でも大事に取ってあるんですよ。

 

――最後に日本の皆さんへのメッセージをお願いします。
 
 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が最初に上演されてから20年、やっと世界が追い付いてきたという感覚がありますね。僕は日本人が一番最初に『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を理解してくれた観客だと思うんです。映画もヒットしたしね。日本人はラブストーリーに共感してくれたんだろうし、あるいは男性が女性を演じる古典芸能があったから。また、ヘドウィグが非常に漫画っぽいキャラクターだったからかもしれない。

 昔から日本の文化は興味が湧くもので、僕の一番好きな映画の何本かは日本のものなんです。中でも僕が日本の文化で好きなのは、お互いを慮る気遣いがあるところなんですよ。
 だから、今回のSPECIAL SHOWでは「Origin of Love」を歌って、「人生はこんなにも複雑で、こんなにも楽しく美しいものなのか」という思いを分かち合いたいと思いますね。人の存在意義というのは、愛し愛されるためにあるのですから。

 

取材・文/演劇ライター 大原 薫

 

ジョン・キャメロン・ミッチェル
プロフィール
1963年米国テキサス州生まれ。
1991年ブロードウェイの舞台『シークレット・ガーデン』でドラマ・ディスク賞にノミネート。1993年、エイズをテーマにした作品『The Destiny of Me』でオビー賞を受賞。同作ではドラマ・ディスク賞にもノミネートされる。1998年に上演した『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』では、オビー賞、ニューヨーク・マガジン賞、ドラマ・リーグ賞、アウタークリティックス・サークル賞などを総ナメにした。
映画監督として第二作目となる『ショートバス』(2006)でも、独自の視点から愛と孤独を描き、ピューリッツァー賞に輝いた。デヴィッド・リンゼイ=アベアーの戯曲を映画化した第3作目『ラビット・ホール』では、ニコール・キッドマン製作・主演で幼い息子を失った夫婦の再生を描き、好評を得ている。2017年12月1日には再びニコール・キッドマンとタッグを組んだ第4作目となる映画『How To Talk To Girls At Parties(原題)』が公開予定。
最近では、アニメ『ユーリ!!! on ICE』のヴィクトルのモデルとなったと話題に。

 

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 

logo0726

💡7月29日(土)10時から一般発売開始💡

■チケットぴあ http://w.pia.jp/t/hedwig/
■e+(イープラス) http://eplus.jp/hedwig/
■ローソンチケット http://l-tike.com/hedwig/
※購入方法詳細は公演オフィシャルサイト

 

作:ジョン・キャメロン・ミッチェル
作詞・作曲:スティーヴン・トラスク
演出:ヨリコ ジュン
音楽監督:岩崎太整

CAST
ヘドウィグ / ジョン・キャメロン・ミッチェル
イツァーク / 中村 中

 

【東京公演】

会場:東急シアターオーブ
日程:10月14日(土)13:00・19:00、10月15日(日)16:00
料金:S席 9,500円 / A席 8,500円

※日本語・英語上演 日本語字幕あり
※開場時間は開演の1時間前 
※未就学児入場不可

お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 TEL0570-00-3337(毎日10:00〜18:00)
       

【大阪公演】

会場:NHK大阪ホール
日程:10月17日(火)19:00
料金:全席指定 9,800円

※日本語・英語上演 日本語字幕あり
※開場時間は開演の30分前 
※未就学児入場不可

お問い合わせ:キョードーインフォメーション TEL0570-200-888(毎日10:00-18:00)

 

★公演の詳細は
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』SPECIAL SHOW公式サイト

 
 

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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