チケットファン

ビリー・エリオット

宝塚歌劇月組公演『All for One』~ダルタニアンと太陽王~

謎の変奏曲

歌舞伎 落語

カテゴリー

最新記事

木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.4 歌舞伎座『秀山祭九月大歌舞伎』~初代・中村吉右衛門が得意とする演目が並ぶ「秀山祭」◇初代は”大の医者好き”?…微笑ましい逸話も紹介!

2016/08/06


 

160804_kinoshita

イラスト/木ノ下裕一

 

九月の歌舞伎座といえば、「秀山祭」。毎年恒例の興行です。「秀山」とは初代・中村吉右衛門(1886~1954)の俳号(俳句ネーム)、つまり後継者である当代(二代目)・吉右衛門が中心となって初代の芸と業績をしのぶ興行なのですね。

 初代は、近代の名優と名高く、晩年は文化勲章を受章するなど数々の栄誉に輝きました。同世代で、同じく大正から昭和のはじめにかけて一世を風靡した名優、六代目・尾上菊五郎(1885~1949)とも良きライバルであり、互いを補い合う”好対照”でもあったのでしょう、その頃の歌舞伎界は「菊吉時代」と評され、ずいぶんと盛り上がったようです。今でも、当時のことを覚えている歌舞伎好きのお年寄りなどが、懐かしいような遠い眼をしながら「…菊吉はよかったな…」などしみじみ語るくらい、まあ、大変に〈熱い時代〉だったのでしょうね。私など若者は、ちょっとうらやましくなったりします。
 

初代・吉右衛門の”大の医者好き”?
吉右衛門の一條大蔵卿が、志村けんの当たり役「バカ殿様」のモデルに!?

 余談ですが、初代・吉右衛門は”大の医者好き”として知られ、くしゃみ一つ出ても「おい!医者を呼べ!」とのたまったそうな。嘘か誠か、楽屋では、軽い風邪をひいた人、少しの体調の悪さを大げさに言う人のことを「吉右衛門になった」と囃すことが流行ったのだとか。心配性だったのか、薬養生が趣味だったのかはわかりませんが、ライバルの菊五郎が万事派手好きで破天荒で無邪気な逸話を多く残しているのに比べ、吉右衛門の方はいかにも地味で、ほほえましい。

 その手の逸話の数々は、戸板康二著の『役者の伝説』に多く収録されています。近代の名優たちの笑えて、ちょっと悲しい逸話の数々がぎっしり詰まっている名著ですが、中に、出番を待つ、初代・吉右衛門の写真が載ってます。幡随院長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)に扮して劇場のロビーに佇む彼は、一見どこにでもいるおじいさんといった風貌で、熱演型で客の心を掴んだ名優・吉右衛門のパブリックイメージとは容易に結びついてはくれません。どことなく、目が淋し気なのも気になります。六代目菊五郎が、先代菊五郎を父に持つ名門中の名門の出で、恵まれた環境を生かしながら英才教育を受けて育ってきたのとはちがい、吉右衛門の出自はそれほど名門でもありませんでした。一代で地位と名声を築き上げた、いわば叩き上げの人なんですね。その陰には筆舌に尽くしがたい艱難辛苦もあったのでしょう。時代物を中心とした耐え忍ぶ英雄役を得意とした芸風、熱演型、医者好き、淋し気な目…あの、初代吉右衛門の写真には、それらが一本の糸で繋がりそうな(でもはっきりとは言語化できない)、漠然とした納得、心に引っかかるものがあります。

 

<次のページ>
初代が得意とした演目が並ぶ「秀山祭」

 

※関連記事
BUTAKOME 中井美穂×木ノ下裕一対談記事

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 

『秀山祭九月大歌舞伎』

秀山祭九月大歌舞伎

〔公演日・会場〕
会 場:歌舞伎座(東銀座)
公演日:2016年9月3日(土)・16日(金)16:30、
14日(水)・20日(火)11:00

〔出演〕
中村吉右衛門、坂東玉三郎(夜の部のみ)、市川染五郎、尾上松緑、尾上菊之助ほか
〔料金〕
一等席 18,000円 ⇒ 特別価格 17,500円
※4歳以上有料

■□■□ お申込み □■□■
※お申込みはチケットファン

 
〔演目〕

 昼の部(=11:00 開演)


右田寅彦 作
松岡 亮 補綴

一、碁盤忠信(ごばんただのぶ)

佐藤忠信 / 染五郎
横川覚範 / 松緑
塩梅よしのお勘実は呉羽の内侍 / 菊之助
小柴入道浄雲 / 歌六
 
 
岡村柿紅 作

二、太刀盗人(たちぬすびと)

すっぱの九郎兵衛 / 又五郎
田舎者万兵衛 / 錦之助
 
 

三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

檜垣
奥殿
三代目中村吉之丞襲名披露

一條大蔵長成 / 吉右衛門
吉岡鬼次郎 / 菊之助
お京 / 梅枝
八剣勘解由 / 吉之助改め吉之丞
常盤御前 / 魁春
 

 夜の部(=16:30)

妹背山婦女庭訓

一、吉野川(よしのがわ)

大判事清澄 / 吉右衛門
久我之助 / 染五郎
雛鳥 / 菊之助
太宰後室定高 / 玉三郎

 
 
岡 鬼太郎 作
眠駱駝物語

二、らくだ

紙屑買久六 / 染五郎
手斧目半次 / 松緑
駱駝の馬吉 / 亀寿
家主佐兵衛 / 歌六
家主女房おいく / 東蔵

 
 

三、元禄花見踊(げんろくはなみおどり)

元禄の女 / 玉三郎

 

 

1 2

※画像およびテキストの転載を禁止します。

バックナンバー

インタビュー

andy071402

アンディ・セニョールJr.

今年の『RENT』は非常に力強いキャストが集まっています

一覧はこちら

BUTAKOME動画チャンネル

連載☆エンタメコラム

2017/07/02

藤田俊太郎×中井美穂 スぺシャル対談☆ブロードウェイミュージカル『ピ..

open

close

Profile

ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2017/03/31

大ヒット上映中!!ディズニー映画『モアナと伝説の海』4DX/MX4D..

open

close

Profile

1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2017/03/22

📹【加藤和樹のエンタメCafe No.8】〈池袋エリ..

open

close

Profile

1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

【Official HP】 公式サイト
【Official blog】 公式ブログ

2016/11/29

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

open

close

Profile

木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

クラシック音楽界のきら星たちに注目

NYから直送!「最新ブロードウェイミュージカルレポート」

ブタコメ編集部

関連サイト

  • LIVING COLLECTION
  • LIVING
  • CITY LIVING
  • あんふぁん
  • シュフモ
  • Lei wedding net