中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪

ビリー・ハーリガン・タイ×中井美穂 スぺシャル対談☆ブロードウェイミュージカル『ファインディング・ネバーランド』

2017/08/04


 

 

演じるということは、ピーターパンそのものかも

 
中井:もともと「ピーターパン」を読んで育ちましたか?
 
ビリー:はい。でもどちらかというと、スティーヴン・スピルバーグ監督の「フック」(91年)の世代で。あの映画の中では夕食のシーンがすごく印象に残っています。子どもたちが悪口を言い合っていると、目の前にたくさんの食べ物が現れ、盛大な夜会が繰り広げられる。それを見て、僕も一緒にご飯を食べたかった、感動を味わいたかったというふうに思ったんです。
 
中井:ピーターパンのように、大人になりたくない子どものような部分がご自分の中にありますか?
 
ビリー:もちろん、いつだってあります。13~14歳の時に初めてミュージカルを観て得た、贈り物をもらったような、祝福されたような感覚を、今でも舞台に立つたびに思い出します。衣裳を着けて、空想の世界に飛び込む。役に入っている間は年を取りませんしね。演じるということは、ピーターパンそのもののような気がします。
 
中井:ビリーさんがミュージカル俳優になると決めたのはいくつの時で、何かきっかけはありましたか?
 
ビリー:僕は音楽とともに成長したと言えます。父が空軍に勤めていた関係で結構引っ越しの多い家で。それでも教会のコーラス隊に入り、歌う中で、パフォーミングアーツを学べる高校に進みたいという気持ちが芽生えました。そして、進学先の高校で演劇の道を開拓することになったんです。ちなみに、初めて観たミュージカルはスティーヴン・シュワルツ作詞作曲の『Children of Eden』、初めて出たのは『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』でした。
 
中井:ミュージカルは演技に歌、ダンスもできなければいけない。たくさんの才能が必要ですけれど、何に心を奪われてその道に進みたいって決めたんですか?
 
ビリー:コミュニティーの一員となって、一つの物語を創り上げる――。初めて舞台に立った時、言葉にできないほどの感動を覚えました。そして、舞台の上からお客さんに最高のものを届けたい、それを続けていきたいと思ったんですね。それまでもスポーツだとか、いろんなことに挑戦してみましたが、演劇ほどしっくりくるものには出合えませんでした。
 
中井:記者会見では2曲披露してくださいました。今回のように物語の中ではなく、ご自身としてまったくその(作品の)世界にいない人たちに歌を届ける場合、どんなことに気を付けて歌うのですか?
 
ビリー:想像力や信じる力という話からすれば、自分自身ができるだけその状況になった感覚で歌うようにしています。劇中、その曲が歌われる意味合いをよく考えながらね。また、スコアの中にバリの心の流れがよく分かる部分がありますので、そこを大切に歌おうと。
 

ビリー×中井

 
中井:なるほど。そういえば先日、バレエをやっている方から、歌う人はそのための筋肉をつけないといけないし、声を出す時には身体をすごく緩めなきゃいけないという話を伺いました。
 
ビリー:そうですね。場合によって、テンションが必要だったり、そうじゃなかったり。『ファインディング・ネバーランド』はポップ・ミュージックが多いので、しっかりと音を拾うところと、喉や腹筋を緩めて歌うところとのバランスが大切だなと思っています。
 
中井:その歌唱法はどのように身に付けられたのですか?
 
ビリー:僕にはボーカルトレーナーが二人いるんです。一人は演劇のコーチとしてストーリーテリングや歌唱テクニックを教えてくださり、もう一人は、どちらかというと耳鼻咽頭系の先生。声を出すには筋肉をどう使ったらいいのかっていうような、表現というよりも技術的なことをフォローしてくださるんです。
 
中井:今後はどのような俳優人生を歩んでいきたいと思っていらっしゃいますか?
 
ビリー:ミュージカルとストレートプレイ、両方やっていけたらなと。今まで与えていただいた役はどれも素晴らしく、ありがたいなと思っています。今後も僕自身がお客様に正直に伝えていけるような役だったら、どんなものにでも取り組んでいきたい。願わくば、奥深く探求できるような役に挑戦してみたいですね。新しい自分を発見できるような。
 
中井:バリのように芝居を書いてみたい、あるいは演出をしてみたいという気はありますか?
 
ビリー:理想としてはやってみたいんですけど……。僕は物事を客観的にとらえられる演出家や脚本家の方たちに対し、ものすごい尊敬の念を持っているんです。役者は自分のことばかり考えてしまう悪いクセがあるんでね(苦笑)。だから、何かを書くにしても、最初から最後まで、一つの物語を書きあげるっていうのはかなり難しいんじゃないかなって思います。
 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
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2017/10/12

【尾上松也のエンタメ異文化交流録】『髑髏城の七人』Season風

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

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【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2017/10/18NEW

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2016/11/29

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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