歌舞伎

インタビュー

尾上松也さんSpecialインタビュー~歌舞伎にしか出せないパワーを感じてほしい~▷浅草公会堂『新春浅草歌舞伎』☆特別価格で発売中!

2017/12/06


 

尾上松也インタビュー003

2018年1月『新春浅草歌舞伎』製作記者発表会より
撮影/吉原朱美

 

新春浅草歌舞伎は僕らにとって貴重な時間

 
――夜の部は『双蝶々曲輪日記』より「引窓」で濡髪長五郎を演じます。今年の浅草歌舞伎では松也さんは『双蝶々曲輪日記』の「角力場」の放駒長吉を演じましたので、2年連続で『双蝶々曲輪日記』に出演することになりますね。
 
「角力場」を経験した一年後に、その後の物語の「引窓」をやるというのは面白いですよね。私の自主公演で「引窓」の南方十次兵衛を演じたことがありますので、『双蝶々~』は自分の中では縁のある作品だなと思います。
 

――「引窓」は家族の義理と情愛を描いた作品。人目を忍んで母親のもとに現れた濡髪長五郎は実は殺人を犯して追われる身。その母には義理の息子がいた……というストーリーです。
 
濡髪は最初、自分が何で母親の元に忍んで来たかを隠しているのですが、彼の心情が見えてこないといけない。今年「角力場」を経験しているということもあって、『双蝶々~』という作品の流れをしっかり踏まえて演じることができればと思います。
眼目となるのが、義理人情。この時代の人たちは何よりも義を大事にしているんですね。そこに親子の情が絡んでくる。母親は義理の息子に対する義を立てないといけないけれども、生んだ息子は可愛い。そして、どんな強い相撲取りでも、自分の死に際には母親の顔が見たくなるんだという人間らしさ。歌舞伎というと人間離れした作品が多いと思われがちですが、これは人間描写が優れている作品です。リアリズムと歌舞伎的な部分がうまく混じり合う作品ですので、自分たちでもしっかり消化して演じることができたらと思います。今回(中村)吉右衛門さんにご指導いただいたんですが、とても丁寧に教えていただきました。
 

――吉右衛門さんはどのようにご指導なさるのでしょうか。
 
ご指導の仕方は人によって違うのですが、吉右衛門さんはとても丁寧にご説明下さって、段取りを一緒に動いてから、僕たちが演じているのを見て、いろいろご指導してくださるんです。以前ももちろんご指導いただいた諸先輩方に感謝していましたが、ご指導いただくありがたさが本当の意味でわかったのは、最近になってからかもしれません。自分がある程度いろいろなお役を勤めさせていただけるようになって、先輩が身を粉にしておしえてくださるありがたさがより一層身に染みました。これは現代演劇の現場であまりない、歌舞伎ならではの(芸を)継承していくということでもあるんだとお稽古しながらつくづく思いましたね。
 また、新春浅草歌舞伎は初役を演じることが多いですので、役を演じること以外にもたくさんの経験をさせていただける。僕らにとっては本当に貴重な時間ですね。

 

――そういう経験をなさって役者としてステップアップされていく姿を間近に見られるのが、新春浅草歌舞伎ならではの楽しみですね! さて、新春浅草歌舞伎といえば歌舞伎を見るのが初めてという方も多くいらっしゃいます。そういう方たちはどう新春浅草歌舞伎を楽しんだらいいでしょうか。
 
新春浅草歌舞伎は、あまり歌舞伎を見たことがない方たちや僕らより下の若い世代の方たちにもっと歌舞伎に興味を持ってもらいただきいたいという想いが根底にあります。わかりやすく見ていただこう、身近に感じていただこうということを常に考えている公演なんです。そこは僕らを信頼していただいて、見に来ていただけたらと思いますね。そこには歌舞伎でしか感じられない空気、歌舞伎でしか見られないものがありますから。チケット代も通常の歌舞伎公演よりお安いですし、気軽に来ていただいけたらすぐに楽しんでいただけると思いますね。
 

――松也さんが思う、「歌舞伎でしか見られないもの」とは何でしょう?
 
そうだなあ……、「力(ちから)」かなあ。歌舞伎には何でも成立させてしまう力があるんですよ。「何だろう、この芝居!?」と思うような作品でも、「歌舞伎だから!」と納得させられるパワーがある。たとえば『暫』なんて、「この人たち、本当に人間?」と思うような人たちが出てきますけど、それなのに面白く見られてしまう。問答無用で、いざとなったら押し切れる強さがある。そのパワーは役者の演技や音楽や舞台美術や衣裳、すべてが合わさった総合力だと思うんです。
 

取材・文 / 演劇ライター・大原薫

 
★『新春浅草歌舞伎』製作発表会レポート、近日公開!お楽しみに♪

浅草歌舞伎会見予告

2018年1月『新春浅草歌舞伎』製作記者発表会より
撮影/吉原朱美

 
 

■□■尾上松也☆Information ②■□■
 

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BS11『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』
毎週水曜日 よる8時00分~8時54分


<12月13日放送>
第33回「熊野古道 よみがえりの聖地の謎」

険しい山々に囲まれた熊野は、人々を寄せ付けないことから「神々が宿る地」と言われた。古来、伊勢神宮で身を清めた人たちは、熊野古道を通って熊野を目指した。
今なお、多くの人々の信仰を集めている熊野。なぜ人はそこを目指すのか?理由として“よみがえりの聖地”と呼ばれていることが挙げられる。その地に沸く日本最古と言われる温泉…伝わる“よみがえりの伝説”とは。神社も寺もあり、神と仏が溶け合う熊野には、修験者が多く集まる。 そしてその結果、“よみがえりの地の信仰”を生んのだという。“よみがえり”にまつわる、熊野の謎を紐解く。
 
出演:尾上松也
ゲスト:花總まり(女優、元宝塚歌劇団)、正木晃(宗教学者)
 
BA11 1213
 
★番組の詳細はBS11 公式HP

 


<12月6日放送>
第32回「伊勢神宮 ~なぜ人は『お伊勢さん』を目指すのか?

神が宿る場所…伊勢神宮。江戸時代には当時の日本の総人口の5分の1に相当する300万人もの人々が訪れた年もあったという。庶民の間では老若男女、貴賤貧富の区別なく「一生に一度は伊勢参り」という慣習があった。伊勢神宮は聖なる場所として有名な一方、俗なる世界も併せ持っていた。伊勢にやってくる人々の世話を取り仕切っていたのが、御師と呼ばれる伊勢神宮の下級神職だ。実はこの御師が伊勢ブームを全国に広めていった張本人。御師はどのように伊勢神宮の魅力を説いていったのか。そして、様々な仕掛けが存在する伊勢神宮とはどのような場所だったのか。伊勢神宮にまつわる謎に迫る。
 
出演:尾上松也
ゲスト:中井美穂(アナウンサー)、山田順子(時代考証家)
 
171206BS11
 

★番組の詳細はBS11 公式HP

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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【本編】尾上松也のエンタメ異文化交流録『ローゼンクランツとギルデンス..

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2017/12/12NEW

【先行抽選エントリー開始!】加藤和樹のエンタメCafe in 大阪~..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2016/11/29

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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