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広瀬和生の「J亭を聴いた」(平成28年12月分)

2016/12/16


J亭三三_016912月15日(木)、「J亭落語会 柳家三三独演会」。
演目は以下のとおり。
 
柳家三三『道灌』
柳家三三『金明竹』
~仲入り~
柳家緑君『湯屋番』
柳家三三『二番煎じ』

開口一番の前座なしにいきなり三三が登場して、前座噺の『道灌』を。
これが実に面白かった!「泥棒なんて三年前にやめた」「それじゃやってたようじゃないか」みたいな当たり前のやり取りも、その後の八五郎の「……あれ?」というリアクションで笑いを呼ぶ。「鷹野だな」のくだりで通常「新宿の先かい?」「それは中野だな」となるところを「鷹野だな」「高円寺の手前?」「中野だ……なんでお前は向こうから来るの?」とやったり、いちいち話の腰を折る八五郎に苛立つご隠居に「それだけ一生懸命聞いてるってことですよ」と返したりといったという可笑しさは、師匠である小三治の『道灌』の面白さとは別の、むしろ立川流に近いものを感じた。
「ナ、ナ、ヘ、ヤ、ヘ」「目の検査か!」も不意を突かれて笑ったし、いや実に楽しい『道灌』だった。

三三は高座から降りることなく、そのまま『金明竹』へ。
これも前座噺だが、やっぱり三三が演ると面白い。与太郎ではなく「松公」で演るのは小三治譲り。この松公が妙に理屈っぽくて可笑しい。松公から相手がおかみさんに変わった途端に全速力でまくしたてる関西人、という演出はさすが三三。「どこかでエビのしっぽでも食べたんでしょう」というお馴染みのフレーズが後半で大活躍するのは三三でしか聴いたことがないアレンジ。感心したのは、「のんこのしゃあ」というフレーズの意味をちゃんと知っていること。これ、「平然としている」とか「しらばっくれる」といった意味で、「しゃあしゃあとしている」と同じような言葉。だけど多くの演者は「いくら食べてものんこのしゃあ」「汚いな」と、「垂れ流し」的なニュアンスで使っている。三三はちゃんと「のんこのしゃあ」「あ、足りないのか」「ええ、平然と」と言っていた。まあ、これだと笑いは起きないけど、その後の「エロ坊主が屏風を乗り越えたらエビがあった」等のくだりで大いに笑わせてくれるから問題なし。前座噺の二席で三三は「ありふれた落語も上手い人が演れば面白い」ということを証明してみせた。

休憩後はゲストの緑君。花緑門下の二ツ目だが、彼は本当に上手くなった。どことなく立川志らくを思わせる雰囲気が(ちょっとだけ)あって、実に堂々としている。『湯屋番』、結構だった。「注目の二ツ目」として挙げておくべき人材だ。冒頭の「そぎメシのこきメシ」のくだりで「宇都宮の吊り天井メシ」に続けて「東京豊洲市場メシ」と時事ギャグを入れてもそこだけ浮いたりしないのは基本ができているから。将来が大いに楽しみ。

前半二席で実力を見せつけた三三、トリネタには冬の名作落語『二番煎じ』を選んだ。
この演目は志ん朝の十八番だったが、小三治の『二番煎じ』は志ん朝とは異なる演出で、面白さは勝るとも劣らない。三三『二番煎じ』は小三治の演出を踏襲していて、黒川の旦那が「火の用心」を謡い調子で、浪花屋が浪曲調で、金久さんが見事な「火の用心」を披露して妄想に浸るといった前半も、一合上戸の男が出てくる後半も、基本的には小三治と同じ。もちろん三三ならではの味わいは随所にあり、役人が「みな、廻っておるか」と聞いた時に月番が「はい、相当まわっております」とヘベレケ口調で言うあたりは三三ならではのトボケた可笑しさが出ていて笑った。歳を重ねて演り込むことで更に磨きが掛かる違いないと確信させる、素敵な『二番煎じ』だった。

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)、「松任谷正隆のディア・パートナー」(FM東京)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

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【加藤和樹のエンタメCafe No.6】〈新宿エリア 〉 「パティス..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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