【特集】謎の変奏曲

<補助席販売中!>明日9/15(金)正午まで!【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪<番外編>】『謎の変奏曲』森 新太郎さん×中井美穂さん

2017/09/13


 
森新太郎×中井美穂
 
森新太郎が考える『謎の変奏曲』演出のポイントは?
 
中井:どこがこの話の肝だと思って演出されるんですか。
 
森:最後にラルセンがズノルコに訴えかけるところ。あれはすごい「口説き」だと思う。ラルセンを演じるのは、とても難しいことだと思うんです。ズノルコは「10年間人里を離れ、人間を避けて生きている」というわかりやすいところがあるけど。
 
中井:橋爪さんがズノルコをおやりになるなら、ナイーブさや鋭さを出されるのかなと想像できるけれど、井上さんのラルセンはまったく想像つかない。
 
:そう、だから橋爪さんとも「ラルセンは難しいよな。ラルセンは演じていても(筋が)通りそうで通らない」という話をしたんです。稽古中に井上君が「ラルセンは何が目的でここに来ているんでしょうか?」と聞くから、「ラルセンも半分わかっていないと思う。“何かよくわからないけど、来てしまった”という部分も残しておかないと」と言ったんです。
 
中井:ラルセンには「ズノルコのところに来れば、答えがあるだろう」とすがる気持ちがあったのかもしれないですね。
 
:たぶん最後にははっきりするんだと思うけど、ラストに向けてラルセンが紆余曲折するのがドラマだから、ラルセンの分かりづらさが作品の鍵になってくるんじゃないかな。
 
中井:井上さんと一緒にお芝居するのは初めてですか。
 
:初めてです。
 
中井:いかがですか、どこが魅力的ですか。
 
:単純に、いい俳優だと思いますね。
 
中井:森さんが思ういい俳優とは?
 
:井上君は、相手に奉仕できる俳優だから驚きましたね。ミュージカルのトップだから、もっと「俺が、俺が」とするのかなと思ったけど全然違う。観客にこう見えたいというエゴよりも、まずは相手役にどんどん与えていくんです。それが見ていて面白いし、相手役の橋爪さんも面白がっているのが見ていてわかりますね。
 
中井:ああ、森さんは橋爪さんとはお付き合いが長いですものね(森さんは、橋爪さんが代表を務める演劇集団円に所属)。
 
:橋爪さんはすべてを出し切る人が好きだから、井上君と一緒にやっていて楽しいと思いますね。

 

稽古を長くしないと期待外れになっちゃうかな(笑)

 
中井:井上さんからは、森さんの稽古の長さを心配するコメントが出てましたけど。
 
:そうなんですよね。最近、何かというと「稽古が長い」と言われるから、稽古を長くしないと期待外れになっちゃうかなと思うんですが(笑)。今回は二人芝居だから、1日6時間くらいが限界かなと思ったんですが、昨日も気づいたら8時間くらいやってた。
 
中井:本当に二人きりで、濃密な作品ですものね。
 
:そう、途中に一回休憩を入れるけど、ワンシチュエーションでやっていくから。
 
中井:そういう作品って、珍しくないですか?
 
:実はワンシチュエーションで走り抜けるというのは、僕も初めてなんですよ。意外と大変です。
 
中井:では、今まで森さんがやってきた、観客が「ええっ!?」と驚くような手法は……?
 
:それが今回は完全に封じ込められているから、また大変(笑)。突拍子もない舞台美術や、驚かしてやろうというようなアイディアは今回は一切使えないから。
 
中井:そういうときはどうするんですか?
 
:一手一手積み上げるしかない。地味な作業ですよ。照明や音響ではどうにもならなくて、本当に俳優の関係性だけで見せなきゃいけない。今回の台本は台詞の間=沈黙の指定が多くて、そこをちゃんと演じると何かが見えてくるというのが最近わかったんです。でも、橋爪さんが大阪の人だから、せっかちなんですよ。台詞の間を節約しようとするから、「いや、ここは停滞してほしいんです」と言ってやってもらっています。
 
中井:じゃあ、今まで拝見した橋爪さんとはちょっと違った感じが見られそう?
 
:そうですね。今までのヅメさん(橋爪)の積み上げがあるのはもちろんあるんだけど、意外とズノルコみたいな役はやっていないんじゃないかと思うんです。ヅメさんはどっちかというと、ひねくれた男を演じるのが好きな人。最初はひねくれているけど、弱くて、生存能力がなくて閉じこもって生きているズノルコをヅメさんが演じるのが新鮮で面白い。ズノルコは結構純粋な男だから、ヅメさんは照れくさいかもしれないけど。
 
中井:井上さんもきっと新鮮ですよね。でも、これだけの台詞量の二人芝居ですから、おやりになるのは大変そう。
 
:本当に俳優は大変だと思う。俳優が全力疾走した先に物語の最後に行きつくから、そこはリアルというかね。役の疲労と俳優の疲労は比例するんじゃないかなと思いますね。
 
中井:稽古はどうですか。
 
:楽しくやってますよ。二人芝居だから、初めは「絶対に仲が悪くなるから」とちょっと脅したんですよね。でも、そんなこともなく、すごく楽しくやっていると思うなぁ(笑)。
 
中井:そうですか。井上さんのファンの方たちもここまで緻密な会話劇での井上さんはなかなか見たことがないと思うので、楽しみですね。
 
:ええ、ぜひ多くの方に見に来ていただきたいですね。

 

取材・文 /演劇ライター・大原薫
撮影/吉原朱美

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

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2017/11/12

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2016/11/29

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
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