【特集】謎の変奏曲

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪<番外編>】『謎の変奏曲』井上芳雄さん×中井美穂さん ~9/18(月・祝)リビング貸切公演<補助席>当日券販売決定!

2017/09/16


 

中井美穂の番外編0916

 
橋爪功さんと井上芳雄さんが初めてタッグを組む『謎の変奏曲』が9月14日に開幕しました。
ノルウェー沖の孤島に住むノーベル賞作家アベル・ズノルコ橋爪さん)の許へ、地方新聞の記者と名乗るエリック・ラルセン井上さん)が訪れることから始まる、「謎」に満ちた濃密な二人芝居。

BUTAKOMEの人気コラム【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪】連載5周年記念として『謎の変奏曲』リビング貸切公演を実施するにあたり、、稽古も大詰めに差し掛かったところ、稽古場にお邪魔した中井美穂さんが井上芳雄さんに直撃しました。井上さんと中井さんの稽古場ならではのトークをお楽しみください!


 
この作品は一貫して「謎」が散りばめられています
 
中井:稽古はいかがですか?
 
井上:密度が濃いから自分の心も体もエネルギーを使うし、一日稽古が終わるとクタクタになりますよ。
 
中井:今までとは違う筋肉痛がある?
 
井上:すごく動き回っているわけではないんですが、僕はお芝居的な体力がそこまでないので、そういう意味でも鍛えられているなという感じがありますね。
 
中井:橋爪(功)さんと二人芝居というのは、挑戦ですよね。
 
井上:そうですね、すごいことをさせてもらっているなと思いますが、やっている間は必死で。作品を成立させるのと、自分が足を引っ張らないようにするので精一杯です。
 
中井:森新太郎さんの演出は初めてですよね。
 
井上:はい。「稽古が長い」という話を聞いていたんですが、二人芝居だからそれほど長くはやっていないんです。でも、何度も繰り返す。
 
中井:それは「前と違った形でやってほしい」といって、繰り返すんですか?
 
井上:その日は大体同じ方向で繰り返すんですけど、次の日になったら違った方向になっていることも多いんですよ(苦笑)。
 
中井:それは迷いませんか?
 
井上:2回くらいなら覚えていられるけど、3回目になると「あれ、どっちだったかな?」って。いつもは台本にはあまり書き込まないようにしているんです。書き込んだことで安心してよくわからないうちにやってしまわないようにと思って。でも、今回は稽古が終わったら、すぐ書く(笑)!
 
中井:なるほど(笑)。
 
井上:変更する理由が「ここをもっと見せたいから」とか、はっきりしているんです。そういう意味では、道がどんどん見えてきて、不安や迷いはあまりない気がしますね。
 
中井:ワンシチュエーションの密室劇というのはいかがですか。
 
井上:冷静に考えると同じ場所で二人がずっと喋っているだけなんですけど、どんどん状況が変わっていくから、体感時間はとても早いですね。飽きたり「ずっとここにいるな」という感じは全然ない。
 
中井:そうですよね。台本を読んでいても、最後の最後までどこに流れ着くかわからないような筏に乗っているような感じでした(笑)。
 
井上:ラルセンはある計画を持ってズノルコの元に乗り込んでいるけれども、決して計画通りに進んでいるわけではないし、「次はこれを言わなきゃ」とか「ズノルコが怒ってる、どうしよう」とかいろいろあって、気持ちは忙しい。ズノルコに対して「そうですよね」と普通の態度を取っていても、内心では「こうだったのか!」と思っていたり。
 
中井:しかも、二人がお互いに通わせる感情って、愛なんだか、憎しみなんだか。
 
井上:この設定も難しい。ラルセンも決して一般的な人ではないと思うんですよね。
 
中井:そう、二人のうち、どっちが変わり者かといったら、多分ラルセンの方。
 
井上:思いが純粋な人ってストーカー気味になるんですよね(笑)。今回もストーカー気味の役だった。
 
中井:ラルセンは不思議な人ですよね。
 
井上:そう、不思議な人。
 
中井:エルガーの『エニグマ変奏曲』(※エニグマはギリシャ語で謎解き・なぞなぞという意味。『謎の変奏曲』とも呼ばれる)をピアノで弾くシーンもあるんですよね。曲は聞いたことがあるけど、背景までは知らなかった。
 
井上:僕も組曲みたいにいろんなバージョンがあるのは知りませんでした。これをピアノで弾くだけでなくBGMとしても使っているんですが、森さんは稽古で日々、使う個所を変えているんです。作品のタイトルになっているくらい、この曲自体が捉えがたいということだと思うし、「人間自体が謎」というような台詞もある。「謎だ」ということで一貫しているんですよね。
 
中井:この作品は見る人の知的好奇心もかき立てるし、普段は出したくない自分の心の奥底にあるものも刺激すると思いますね。

 

今はすごい稽古をさせてもらっています
 
中井:稽古は順調に進んでいますか?
 
井上:工程は順調で、今はずっと通し稽古をやっているんですけど、毎日必死過ぎて記憶がないというか。「あ! もうこういう段階か」という気もするし。
 
中井:それは、井上さんが今までのキャリアの中でこれだけやってこられて、初めての経験ですか?
 
井上:たとえばミュージカルだと、歌と踊りと芝居を全部一つにやることだけで大変で、それができるようになったら稽古の最終段階になっていることもある。でも、今回はいつもやっているミュージカルとは組み立て方が違う。台詞や動きを覚えてから、その中で何が行われているかを「ああでもない、こうでもない」とやっていますね。それに今回はいかに自分が橋爪さんに近づけるか、遠くに行っていないか、というのが問題ですから。
 
中井:ラルセンのことは理解できますか?
 
井上:理解できる、と言ったら変ですけど(笑)、似ているところはあると思いますね。
 
中井:どういうところですか?
 
井上:盲目的に献身したいと思ったり、「この人、弱っている」と思ったら「慰めてあげなきゃ」と思ったり。
 
中井:自分ができることは全部与えてあげたい気持ちになるんですね。
 
井上:困っている人を見たら「助けなきゃ」と思うのは理屈じゃない気持ちだし。でも、それをやっているからと言って自分が満たされて余裕があるかというと、自分の孤独の裏返しなのかもしれない。そうやっているときはいいけれども、その対象がいなくなったときに「自分は何なんだ」という気持ちになって、何かを探し求める気持ちはわかるなあと思いますね。
 
中井:後半のラルセンには「空っぽになった」という表現が出てきますね。
 
井上:年代は違うけれども、ラルセンの孤独とノーベル賞作家のズノルコの孤独は、実は変わらないのかもしれない。
 
中井:孤独の中で、自分の存在の意味も考えたでしょうし。
 
井上:そうですね。実はラルセンはエリックという名前で、作者(エリック=エマニュエル・シュミット)の名前がつけられているんですよ。
 
中井:あっ、そうか。そこにも謎が込められているんですね。
 
井上:よくもこんなに謎を散りばめながら、物語を進められるなと(笑)。そこが面白いというか、掘っても掘っても奥まで行き当たらないという感じですね。きっと「ああでもない、こうでもない」とやっているうちに、あまり意識せずに初日を迎えて、気づいたら千穐楽を迎えていた(笑)となるのかもしれないですね。
 
中井:演技を繰り返す中で、同じ台詞でも全然違う感情が流れるかもしれない。
 
井上:そうですね。とにかく、今はすごい稽古をさせてもらっています。
 
中井:本番の舞台で拝見するのを楽しみにしています。ありがとうございました。

 

取材・文 /演劇ライター・大原薫
写真提供 / テレビ朝日

 

 

リビング貸切公演<補助席>当日券販売決定!!

『謎の変奏曲』
中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ 5周年記念☆リビング貸切公演
2017年9月18日(月・祝)17:30

 
当日券は開演1時間前から、劇場にて先着順にて販売します。
お支払い方法は「現金」のみになります。
※補助席は、座席の形状が指定席とは異なるお席です。 
※未就学児童入場不可

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 

謎の変奏曲ビジュアル

 
作:エリック=エマニュエル・シュミット
演出:森新太郎
翻訳:岩切正一郎

出演:橋爪功 井上芳雄
会場:世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
 
『謎の変奏曲』
中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ 5周年記念☆リビング貸切公演
2017年9月18日(月・祝)17:30

 
【アフタートーク付き】
中井美穂のヅカヅカ聞くわよ♪ 特盛SP版
トーク出演:橋爪功×井上芳雄×森新太郎
「謎の変奏曲」観劇後(劇場にて)中井さんが作品について観客の視点で演出家・出演者にヅカヅカ質問♪

【<謎>の抽選会実施】
特盛アフタートークの後に<謎>の抽選会を実施♪

 
※公演の詳細は『謎の変奏曲』公式HP
 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2016/11/29

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワ..

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

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