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「アルジャーノンに花束を」~彩乃かなみ・演劇コラム~

2012/08/07


BUTAKOME
撮影/伊東和則

こんにちは!
彩乃かなみです。

毎日、本当に暑い日が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は、最近暑さでぐっすり眠れないせいか、、、
なんだか日中も眠気がおそってくる日々を過ごしております、、、。
ふぁぁぁーシャキッとせねばっ!

はぁいっ!
シャキッとしまっす(早っ)
皆様も、熱中症や暑さ対策万全に、どうぞこの夏を健やかに乗り切って下さいね。

さてさて本題の演劇コラム
今回は演劇集団キャラメルボックスの作品を拝見してまいりました!
出しものは、ダニエル・キイス原作の【アルジャーノンに花束を】

んんーあの有名小説!私も何十年か前に読みました。
、、、何十年前は言い過ぎにしても(笑)随分以前のこと。
どんなお話だったっけ、、、なんて思いつつ劇場に向かったのですが意外に覚えているものですね。
微かな記憶から、芝居が始まった瞬間と共に、ぐわっと蘇る自分自身の記憶。

舞台や映画は不思議なことに、目の前の芝居に没頭しながらも、個々の過去の経験や忘れていた出来事、痛みや喜びの感情を同時に思い起こさせます。
あれって不思議・・・
目の前の芝居と自分の記憶の「一人同時上映」。
平行して見てたりするんですよね。

皆さんもありますよね、、、ありませんか?
別世界に誘われる感覚。
私にとっては、とても刺激的なひとときです、、、。
そんな部分も楽しみながら観劇致しました!

BUTAKOME

『アルジャーノンに花束を』
パン屋で働くチャーリイ・ゴードン。彼は今年で32歳になるが幼児なみの知能しかない。
他人を疑うことを知らず、常に笑顔で誰にでも親切であろうとする、大きな体に小さな子供の心を持った優しい青年。仕事の傍らチャーリイは知的障害成人センターに通い、読み書きや計算を一生懸命習う日々。
ある日彼は、大学教授から開発されたばかりの脳手術を受けることを勧められる。大学の実験室にいたハツカネズミのアルジャーノンは、その手術のおかげで驚くべき知能を発揮し「僕もアルジャーノンのように賢くなりたい!」と願うチャーリイ。
見事試験に合格し、臨床試験第1号者として手術を受けられることとなる。
手術は成功。彼の望んだ通り徐々にIQは上昇し、ついには超知能を持つ天才となるのだが、、、

BUTAKOME

言わずと知れた超有名SF小説ですよね。
もしも人間の知能が外科手術によって向上したら、、、、という夢のようなお話。
けれど主人公チャーリイが手術成功によって直面していく現実は、思いもかけず残酷でシリアスです。

知識の吸収、学びを重ねていく過程で、自分が周囲に馬鹿にされていた事、母親に捨てられていた事実までも理解していく現実。

「知脳」の急速な発達。そしてそれとは対照的な、未発達のままの「感情」。
習得していく様々な知識。、反対に、失っていく心の平穏。

ある一定のバランスを保っていた天秤がゆらゆらとバランスを崩し始め、収拾がつかない程に均衡が保てなくなるイメージが頭の中に浮かび上がりました。

BUTAKOME

手術チームの教授達の知識をゆうに超えるIQを得たチャーリイは
皮肉なことに、その超知能により自ら脳手術の欠陥を発見することに、、、
一方、先だって手術を受けたアルジャーノンは異常行動や知能の低下が目立つようになります。
アルジャーノン中に自分の未来を見てしまうチャーリイ。

今、理解できているモノを失っていく恐怖。

BUTAKOME

私の記憶の片隅にある小説を読んだ時の感覚と、舞台を見た時に感じた違い、
それは、このチャーリイの恐怖についてでした。

小説では、全ての出来事がチャーリイ本人の「経過報告書」として書かれているため、第一人称としてチャーリイ本人の恐怖を追体験し、鬼気迫る怖さがありました。
対して舞台では、全体の出来事を客観的に見ていく事となるので、周りの人々にも感情移入し、スリリングな恐怖と共に結末に向かっていく圧倒的な絶望感はありませんでした。

それは決して、ありがちな「書籍のイメージと違う」というネガティブなものではなく、
敢えて原作との見え方・感じ方の違いを楽しめる作品なのではないか、と思ったのです。
現に終演後「今またここで書籍で読んだら、絶対面白いはず!」
と思いました!

今回初めてキャラメルボックスさんの公演に伺ったのですが、印象的だったのが客席の男性率の高さ
そして、終演後のアンケート記入をされている方々の多さ!
たまたま私が拝見した日が特にそうだったのかもしれませんが、
「ふむふむ、、、なるほどぉ、さすが」
と客観的に見てもお客様の愛の深さを強く感じました!
そう、そしてきっとその声が届いたり色々と反映されたりしているからこそ、ファンの方が熱心にアンケートをしたためるのだろうな、、、
と「絶大な人気の高さ」の理由を垣間見た気がしました。

BUTAKOME

そう!
あと皆さん、すこぶる滑舌がいいなぁ、、、声が響くなぁ、、、
と思っていたら
やっぱり。
マイクなしっ!!

えー、、、自慢ではないですが、わたくし芸歴16年このかたマイク無しの公演に携わった事が一度もありません。
ドキッ・・・。
今回、公演を拝見して「私って・・・?」とあらためて振り返ってみたら、やっぱりなかった、、、うん、ない。。。!
本当自慢にならないけれど、、、(汗)
まぁ、偶然にも必ずお歌がある公演に出演させて戴いているので、必然といったら必然なのですが、皆さんのとても通る声を聴いていたら「うーむ。。。」なんてちょびっとだけ考えてしまった私でした。
それだけ印象的な声を皆さんお持ちだったということなんですがね!

宝塚歌劇団入団後、まず学ぶこと、
それは例外なくラインダンスです。
形、角度、高さを揃えるに留まらず、互いを感じ距離を均等に計る、気持ち・呼吸からも空気を揃える。
こうしたことを徹底的に叩き込まれ学んでいく。

BUTAKOME

なんだか劇中、ほんの少しだけあるダンスシーンでそんなことをフッと思い出しました。
踊りだした途端に見える深い一体感。
一瞬にして空気を換え、観客の心を惹きつけるもの
長い時間を掛けて築かれている信頼感。
「同じ釜の飯を食う」に通ずる結束力。

ある意味一番心を捕らわれた瞬間だったかもしれません。。。

以上
今回の演劇コラム、このへんで・・・

ではまたー

BUTAKOME

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キャラメルボックス2012サマーツアー
『アルジャーノンに花束を』

BUTAKOME

◆東京公演
7/21(土)~8/12(日) サンシャイン劇場

◆神戸公演
8/16(木)~24(金) 新神戸オリエンタル劇場

公式HPはコチラから

【プロフィール】彩乃かなみ

※公式HPはコチラから

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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尾上松也さんSpecialインタビュー▷平成最後の『新春浅草歌舞伎』..

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2018/08/06

📹【加藤和樹のエンタメCafe 番外編】〈大阪・梅田..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

【Official HP】 公式サイト
【Official blog】 公式ブログ

2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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