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伊礼彼方の物見遊山

ゾロ ザ・ミュージカル

2011/03/03


BUTAKOME

『アンナ・カレーニナ』の公演で2010年が終わり、新年早々『アンナ~』で始まった
2011年。

シングルキャストのプレッシャーでバカ出来ず、プライベートで優等生を演じていたので、
なかなか観劇する余裕も見つからず、先日やっと話題の『ゾロ ザ・ミュージカル』を観劇できました。

自分が舞台に立っている時はあまり感じない・・・というか全然感じないんですが、
久しぶりに観たミュージカルは何故か不思議な興奮を覚えた。

開演直前のオーケストラのチューニングが、僕を高揚させてくれる事を改めて感じた。

来るぞ来るぞ来るぞ!

と、頂上を目指す時のジェットコースターの感覚に似ている。

最近ストレートのお芝居を観ることが多かったので、この感覚はお芝居では味わえない。

“ゾロ(ZORRO)”はスペイン語で“キツネ”の意味をもつ、もともとは小説の中から誕生した正義の味方で、映画やドラマもたくさんあって、外国ではテレビの中のヒーローといえば・・・的存在。

このミュージカル版の舞台ではジプシーキングスの音楽に乗せて、
歌あり芝居ありフラメンコありロープアクションありと、海外からの本場フラメンコダンサー、
出演者の一人として舞台上で演奏するフラメンコギター奏者・・・
ザッツ・エンターテイメントな世界観でした。

幼少期をアルゼンチンで過ごしてた僕にとっては、
ゾロはバットマン、スーパーマンに次ぐヒーローだった。

日本ではどうだろう?
あまりお馴染みではないかもしれないが、
ウルトラマンや仮面ライダーがバットマンやスーパーマンのような存在だったら、ゾロはなんだろう・・・、弱きを助ける怪盗・義賊ということで「ネズミ小僧」とか・・・

子供心にテレビのブラウン管の中のヒーローに目を輝かせ、母親に剣を作ってもらってはゾロの「Z」の字に剣を振り回していたのを思い出した。

大人になって改めて観ると感覚は少し変わってしまっていたが、少なからず子供の頃に覚えたあの興奮が蘇ってきた。

「少なからず」というのは、僕が記憶していたストーリーとは違ったのに、
「ゾロに扮したディエゴが悪を倒す」という基本の勧善懲悪なお約束があれば、細かい設定や登場人物が違っても、ゾロはゾロなんだ!ということ。

だから単純明快なストーリーは子供にとって何度観ても楽しいし、作り手にとっても新しい悪者さえ生み出すことが出来れば、永遠の無敵のヒーローとして何度でも繰り返し放送出来たんだ・・・と、
悪に染まりつつある僕の29年の脳みそがそう言った。

でもふと思った。

誰もがゾロのように仮面を持っている
少なからず僕は仮面を山ほど持っている。

親といる時の仮面・友達といる時の仮面・大切な人と時間を過ごしている時の仮面・仕事してる時の仮面・一人でいる時の自分に言い聞かせる仮面・・・他にも自分でも気づいていない仮面が山ほどあるだろう・・・

「じゃ、本当の自分ってなんだろう?」

そう思ったりもするが、これは全て自分という一人の人間が生きて行くために作り出した、
自己防衛と自己表現の現れだろうと思う。
これ全部が伊礼彼方なのです。
皆さんにも沢山の仮面があるはずです。
それがあなたなのです。

それが上手く世の中を渡って行くための、術のひとつなのかもしれません。

だからゾロが仮面をつけ悪者を倒したり、情報収集のため相手を油断させようと軽薄なキャラクターを演じて敵の懐に飛び込む事に、
説得力を感じ無抵抗に納得出来た。

これは今の年、年齢で観なければ解らなかっただろうな。
ヒーローも時には悩む事もあるし、孤独な時もある。

でも、やっぱり幼い時にカッコいい!と思ったヒーローは
永遠にいつまでもヒーローなんです!!

実はこのコラムで「観劇コラム」はひとまず最後になります
僕は「作文」が苦手でした。
もちろん今も「作文を書いて下さい」と言われれば100%断ります。
だからこの「観劇コラム」のお仕事を頂いた時は正直戸惑いました。
「作文も書けないのにどうやって書くんだ!?」って!
でもいろんな本を読んだり、辞書という名の先生もできたし、色々な方にアドバイスを貰いながら「自分の言葉」と出会うことが出来ました。

「上手く書こう」とか「面白く書かなきゃ」とかじゃなく、
自分の心が感じたありのままの感情を言葉にする!
それが、下手でも伝わるんだと知りました。

そしてそれが書く難しさと楽しさを教えてくれて、2年間続いたんだと思います。
正直な話、コラムを書き終えるたびに「書き物でメシを食ってる人ってすげぇ」「俺は絶対無理だ」って思ってました。
そんな気持ちを教えてくれたのもこの仕事です。

でもお陰で「作文」ではなく「自分の言葉」を書くのが好きになってしまったので、これからは違う形で携わって行けたら嬉しいなぁと思っています。

それぞれにその世界の味があって、カレーも好きだけどハンバーグも好きで、時にはお寿司も食べたいし、バカ高い牛肉の味を知る事で某牛丼屋さんの良さを改めて知ることも出来る。
そんな風に生きて行きたいし、どれも僕にとって『伊礼彼方』を維持させるために成長させるために必要なガソリンです。

この観劇コラムを支えて下さった全ての方々、
僕を感激させてくれたすべての舞台公演に心から感謝致します。
長い間、拙い文を読んで下さって本当にありがとうございました。

伊礼彼方

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『ゾロ ザ・ミュージカル』

■中日劇場(名古屋)3/5(土)~/20(日)
※詳しい公演情報はコチラから

■梅田芸術劇場メインホール(大阪)3/24(木)~/28(月)
※詳しい公演情報はコチラから

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4月から伊礼彼方さんにはブタコメ 観劇コラムニスト」として、
引き続きご活躍いただきます!!

ブタコメ・パワーアップ大作戦イベント
5月21日(土)にもご出演!

BUTAKOME

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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藤原竜也×中井美穂☆2019年新春Special対談~舞台『プラトー..

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2019/01/31

【早霧せいなのビタミン“S"】其の十.ソウルSpecial編「本場の..

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2018/12/27

尾上松也さんSpecialインタビュー▷平成最後の『新春浅草歌舞伎』..

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2018/08/06

📹【加藤和樹のエンタメCafe 番外編】〈大阪・梅田..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

【Official HP】 公式サイト
【Official blog】 公式ブログ

2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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