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ミュージカル『ファントム』② 2010年11月観劇

2010/11/27


BUTAKOME

さて、話を戻すと、

エリック青年はある日、運命的な恋に落ちます。
美しい歌声をもつ、少女クリスティーン。
クリスティーンもごく普通な、平凡なパリジェンヌ。華やかなオペラ座の舞台に立つのを夢みて、いつも歌いながら街角で楽譜を売っていた。そんなある日、彼女もまた運命的なシャンドン伯爵と出会い見染められ、オペラ座への足がかりを手にします。

新しいオペラ座の支配人兼歌姫として君臨するカルロッタ嬢。
今までの伝統を打ち崩し、新しいオペラ座を運営する!と、自分中心に改革を行う。
長年オペラ座の地下で暮らすエリックにとっては、絶えられない雑音と屈辱の日々。
自分の世界が崩壊してゆく・・・エリックは自ら「ファントム」を名乗って、脅迫状や手紙を送るようになる。
そうなると、警察だって黙っちゃいない。
もしかしたら、本当にファントムは居るんじゃないか?誰かの悪戯だろう。
人々は疑心暗鬼に陥る。
そんな、荒んだエリック青年の心に一筋の光が・・・

美しい少女、クリスティーンの歌声だった。

カルロッタの元で働くようになったクリスティーン。
しかし、まだ舞台には立たせてもらえない。
時折口ずさむその美しい歌声は闇の世界(地下)に響きわたる。
そのあまりにも美しい歌声「やっと私の求めていた声に出会えた」とファントムを癒し励ます。
だが訓練されていないと判断したエリックは地上に上り、クリスティーンの前に姿を現す。
「私の名前を誰にも言わないこと」と「顔を見せない」という条件つきで自ら彼女のヴォイストレーニングの先生を担う事になる。
誰にも内緒の闇の世界(地下)での秘密のレッスン。

「・・・僕は何の為に生れてきたんだろう・・・」

ファントムの胸中にはいつもこの不安と疑問が渦巻いていた。
しかし、クリスティーンとの出会いによって、大好きな歌を活かす事ができる。
自分の存在理由がここにあったのだ!
今思えば、エリックにとってこの秘密の時間が生涯で一番幸せだったのかもしれない。

ファントム先生のレッスンの甲斐あって、クリスティーンは輝くばかりの才能をもった立派な歌姫に成長する。
そして、カルロッタは彼女を舞台出演させると進言。
喜びに満ち溢れる二人。
だがそれは、嫉妬の念にかられたカルロッタの陰謀だった。
カルロッタは、舞台初日、ひどく緊張するクリスティーンに「これを飲むと落ち着くわよ」と嘘をつき、喉を潰す薬を飲ませた。本番中、声をなくすクリスティーン。
それに怒り狂ったファントム先生。
ここから、光の世界(地上)の人間への猛烈な復讐劇を開始するエリック。

そして、この復讐は皮肉にも彼自身の真実を知ると同時に、彼自身の終焉も意味していた。

瀕死の重傷を負ったファントムに、彼のすべてを知る元支配人はゆっくりと口を開き、エリックにこのオペラ座の悲劇の全貌をゆっくりと溶き明かす。

「全部わかっていた・・・知ってたよ」

ごく普通の少年のように優しく微笑むエリック。
そして、エリックの最期の願いを叶えてあげるキャリエール。
元支配人ではなく、一人の人間として。

「考えてみれば・・・悪くなかった・・・生まれてきたってこと・・・。だって音楽を聴けた。」

エリックはキャリエールの腕に抱かれ、静かに人生の幕を下ろす・・・。

紆余曲折色々ありましたが、何ともいえない、いいお話ですね。
僕は最後のキャリエール役の篠井英介さんとエリックとのシーンに感動して涙しました。
男同士のシーンって弱いんですよね。いつもぐっと来ます。
この最後は“人間愛”に溢れています。

豪華な衣裳や荘厳な舞台美術、オケボックスからの生演奏、ゴージャスで綺麗なミュージカルでしたが、全然別の角度から色々な事を考えさせられる作品でした。
勿論ミュージカルなので曲も歌も沢山あるのですが、音楽主体ではなく、芝居の俳優さんが多かったのも斬新です。
歌なのか台詞なのか、手段や方法は違っても、やはり“伝える”“伝わる”っていう気持ちは「心」に勝るものはないですね。

「光と闇」なかなか深いテーマですが。
人間誰しもどっちも隠し持っているものですよね。その見えない部分が美しかったり魅力的だったりするとも思います。
だからって厚化粧がいいと勘違いしちゃダメですよ!
男はスッピンが好きなんです(笑)
そういう事でなく~・・・・・・、

“影”は“光”が存在しないと生まれない。
“月”も“太陽”が存在しないと輝けない。
表裏一体・・・。
それぞれが、それぞれを必要とする理由があるから、
アナタもそこに存在しているのです。

BUTAKOME
シャンドン伯爵役・海宝直人(かいほう・なおと)さんと

■海宝直人

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■ミュージカル『ファントム』の公演情報はコチラから

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藤原竜也×中井美穂☆2019年新春Special対談~舞台『プラトー..

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2019/03/31

【韓国探訪SP☆総集編☆】早霧せいなのビタミン”S" in ソウル ..

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2018/12/27

尾上松也さんSpecialインタビュー▷平成最後の『新春浅草歌舞伎』..

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2018/08/06

📹【加藤和樹のエンタメCafe 番外編】〈大阪・梅田..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

【Official HP】 公式サイト
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2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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