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木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.7 一味違った楽しさとパワーがある 『新春浅草歌舞伎』~新年早々、“他人と自分の前途を祈る”ような気持ちになれる…~

2016/11/29


 

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イラスト/木ノ下裕一

 
新年早々、浅草公会堂で行われる『新春浅草歌舞伎』は、ぜひ、多くの若い方々、とりわけ中高生のフレッシュな皆さんにご覧いただきたいものです。

 
だいたい古典芸能というものは、若い頃から観るに限る!と、私は、自身の経験上、そう思っております。こう云うと、「そんな若い頃から古典芸能好きになってしまったら、お前のような、妙に爺(じじ)むさい“若者”になってしまって始末におえないじゃないか…」という声がどこからともなく聞こえてきそうですが、まあ、それはその通りなのです。

同年代の友達よりもお年寄りと話しているほうがテンションの合う中学生になり、ケイタイをいじっているクラスメートの中、ひとり『歌舞伎名作全集』の頁をめくる高校生になってしまう可能性大です。経験者が語るのですから、嘘ではありません。

とどのつまりは、大学の「キャリアデザイン」という謎の授業(「キャリアって意図的にデザインできるものなのだろうか?“人生成り行き”という概念はここにはないのだろうか?」とそんなことばかりに気を取られ、私がまったく集中できなかった授業の一つ)で、就職希望の有無を問わず受けさせられた「就活面接のリハーサル」において、教員から「君には、“若々しさ”がないっ!」と、これまた謎のダメ出しを頂戴するような20歳になってしまうかもしれません。

 

“悩める高校生”の眼に眩しく映ったのは…
 
それでも、やはり、古典芸能は若い頃から観ておくことを、強くおすすめしたいのです。

ひとつには、古典芸能家(歌舞伎俳優や文楽の技芸員など)と一緒に歳を重ねていく楽しさがあります。

高校時代の私は関西に住んでおりましたから、東京ほど歌舞伎は頻繁に観ることができず、文楽の方が盛んでした。ですから、国立文楽劇場にはよく通いました。

文楽に血道を上げる高校生だって、フツーの高校生のように進路には悩むものです。やはり無難に一般大学に行くべきか、本当は芸術系の大学に行きたいけどそれにはちょっと勇気がいる、進学を機に東京に出ようか、落語家になりたいという幼い頃の夢は本当に捨てていいのか、などなど。そんな、“ハムレットの出来損ない”のような高校生の眼に、眩しく映ったのは、自分とさほど歳の変わらないであろう文楽の技芸員さんたちの姿でした。

必死に師匠連についていこうと撥を振るう三味線奏者、黒い頭巾の中では汗をダラダラ流しているであろう足遣い(若手はまず人形の足の操作を担当する)、師匠の語る浄瑠璃にじっと耳を傾けるまだ少年の面影を残した大夫のダマゴ(若手の大夫には、師匠が語る床の後方に控えつつ、師の芸を吸収する「白湯汲み」という修行がある)。

「この人たちは、すでに自分が邁進すべき“道”を見つけているんだ…」。

少し羨ましく、なにより励まされたものです。その日から約15年…近年、当時まだ最若手であった技芸員さんたちが、大役に挑戦したり、興行の芯を支えることが目立ってきましたが、これまた、“我が事”のように嬉しいものです。感慨深さにしみじみしたり、「自分も頑張らねば…」と喝を入れたり…知らず知らずのうちに、古典芸能に自身の人生を投影しているのでしょう。今となっては、私の大切な“支え”の一つです。

 

<次のページ>
一味違った楽しさとパワーがある『新春浅草歌舞伎』

 

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■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 
 

『新春浅草歌舞伎』

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特別価格でチケット発売中!
1等席9,000円 ⇒ 特別価格 8,400円

チケット購入はチケットファン

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出演: 尾上松也、坂東巳之助、中村隼人、中村壱太郎(1部のみ)ほか/中村 錦之助(2部のみ)

【チケットファン販売日程】
日時:2017年1月18日(水)・20日(金)・26日(木)13:00、
1月16日(月)・21日(土)・24日(火)15:00
会場:浅草公会堂
料金:1等席9,000円 ⇒ 特別価格 8,400円
※4歳以上有料

 
〔演目〕

 第一部(=11:00 開演)

お年玉〈年始ご挨拶〉


近松門左衛門 作
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場

浮世又平後に土佐又平光起 / 坂東 巳之助
又平女房おとく / 中村 壱太郎
狩野雅楽之助 / 中村 隼人
土佐修理之助 / 中村 梅丸
将監北の方 / 中村 歌女之丞
土佐将監光信 / 大谷 桂三

 
義経千本桜
二、吉野山(よしのやま)

佐藤忠信実は源九郎狐 / 尾上 松也
早見藤太 / 坂東 巳之助
静御前 / 中村 壱太郎

 

 第二部(=15:00)

お年玉〈年始ご挨拶〉

双蝶々曲輪日記
一、角力場(すもうば)

放駒長吉 / 尾上 松也
山崎屋与五郎 / 中村 隼人
藤屋吾妻 / 中村 梅丸
濡髪長五郎 / 中村 錦之助

 
四世鶴屋南北 作
二、御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)

白井権八 / 中村 隼人
幡随院長兵衛 / 中村 錦之助

 
岡村柿紅 作
三、棒しばり(ぼうしばり)

次郎冠者 / 尾上 松也
曽根松兵衛 / 中村 隼人
太郎冠者 / 坂東 巳之助

 
 

 

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【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.44】生瀬勝久×中井美穂 S..

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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