中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.46】麻実れい×中井美穂 Special対談▷ミュージカル『アナスタシア』3/1(日)開幕♪

2020/02/06


46002

強い女性を演じるには
宝塚で男役だったことが土台に

中井:マリア皇太后はどういう方ですか?

麻実:ロマノフ王朝最後の皇太后で、マリインスキー劇場は夫の皇帝がマリアのために建てたそうなんです。壮麗なロマノフ王朝に一時は君臨していたわけですから、それを感じさせないと、ただのおばあさんになってしまうので(笑)。とても強い女性ですね。

中井:麻実さんが演じて、ただのおばあさんになることは絶対あり得ないです!

麻実:いえいえ、大変です。ロマノフ王朝の香りを出さないといけないですから。

中井:麻実さんはいつ何時お会いしてもヨーロッパの香りが漂っていますよ。

麻実:(笑)。

中井:「ハーフでいらっしゃいますか?」とか聞かれることも多いかと思いますが、そういうわけではないのですね。

麻実:ええ、江戸の下町に生まれ育ちました。ただ、不思議と宝塚を卒業していただいた最初のお役が(『マクベス』の)レディ・マクベスで、そこから始まって王室皇室関係の役ばかりいただいていました。メアリー・スチュワート、エリザベス一世。

中井:エリザベス、素敵でした。

麻実:ありがとうございます。強い女性を演じるには、宝塚で丸15年、男役をさせていただいたことが土台にあるのかもしれません。振り返ってみると、宝塚を卒業した後10年間は、日本の演出家から演出を受けていませんでした。海外の演出家とばかりご一緒していたんです。作品と共にご一緒したプロデューサーやお客様との出会い、すべてが私にとってプラスだったなと思います。

中井:本当に唯一無二の存在でいらっしゃる。麻実さんは特別だと思います。

麻実:でも、宝塚を卒業するときに先のことはまったく考えられませんでした。宝塚を知らないで入団したのですが、宝塚の伝統ある男役としての一番美しいときに卒業したいと思っていました。私にとって舞台を降りる時というのも大切な事なんです。

46003
中井:宝塚を卒業なさる時期はご自分で決められたのですね。

麻実:決めましたね。トップになった時点で「いつ卒業しなければならないか」と考え始めました。そして、『風と共に去りぬ』でレット・バトラーを演じたとき、これ以上のシリアスな役は来ないだろうと思って、卒業を決めました。でも、モック(相手役・遥くららさん)に先に「退団します」と言われて、二人同時に退団するわけにはいかないと思い、彼女を先に送り出した。彼女は私にとっても雪組にとっても大きな存在だったので、その次の公演はトップ娘役を決めずに多くの娘役に様々な役を経験してもらおうと思いまして……最後の公演は男役の一路(真輝)さんを「相手役にしてください」と理事長にお願いして。

中井:そうだったのですか。

麻実:少年のような女の子の役で、色がついた人が演じるのは難しいお役だと感じたので、まだ初舞台を踏んで間もない一路さんがいいと思ったのです。

中井:大抜擢でしたものね。ご自身が思い描いたフィナーレとしては最高の形で宝塚歌劇団を卒業されたのですね。

麻実:そうですね。

中井:でも、麻実さんのファンの方たちは大泣きされたでしょう?

麻実:いえ、麻実会(麻実さんのファンクラブ)はあまり泣かなかった。他のファンの方たちのほうが泣いていらした気がします。「どうして泣かなかったの?」と聞いたら、「またすぐ会えるもの」と言うの(笑)。

中井:宝塚ファンの方はごひいきの男役が卒業するとき、「男役以上にカッコいい姿では、もう会えないかもしれない」と思って泣くところがあります。でも、麻実さんの場合は「男役もカッコよかったし素晴らしかったけれども、もしかしたらそれよりもっと素敵な舞台が見られるかもしれない。それに、プライベートのお姿は全然変わらないはず」と皆さんを信じさせることができる存在だったと思います。麻実さんは宝塚時代から今まで、全然変わっていらっしゃらないでしょう?

麻実:性格はまったく変わりませんね。いただくのは強い役が多いから、私が普通の女優さんでは難しかったのかもしれません。男役を経て、自分をゼロに戻してから役を作っていく。「麻実さんは何をしていらっしゃる方ですか?」と聞かれると「舞台役者です」と答えるけれど、歌舞伎の女形さんと同じ立ち方をしている気がします。

中井:なるほど、そうなのですね。

麻実:でも、いつも「私にはハードルが高すぎる」と思う作品ばかり選んでしまいますねぇ(笑)。

中井:たとえば、どの作品がハードルが高かったでしょうか?

 

<次のページ>
大嫌いと思うときもあるけれど
やっぱり、芝居が大好き
1 2 3

※画像およびテキストの転載を禁止します。

バックナンバー

インタビュー

前山剛久003

前山剛久

▷シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』▷2.5次元もミュージカルも、全ジャンルや...

一覧はこちら

BUTAKOME動画チャンネル

連載☆エンタメコラム

2020/02/06

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.46】麻実れい×中井美穂 S..

open

close

Profile

ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2020/02/29NEW

【早霧せいなのビタミン“S”】其の二十三.「影響しあうこと」

open

close

Profile

長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

open

close

Profile

1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

NYから直送!「最新ブロードウェイミュージカルレポート」

ブタコメ編集部

関連サイト

  • LIVING
  • CITY LIVING
  • あんふぁん