中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.46】麻実れい×中井美穂 Special対談▷ミュージカル『アナスタシア』3/1(日)開幕♪

2020/02/06


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大嫌いと思うときもあるけれど
やっぱり、芝居が大好き

麻実:前作ですが、特に『炎 アンサンディ(※)』は大変だったですね。
(※亡くなった中東系カナダ人女性=ナワルのルーツを子供たちが探るというストーリーで、麻実さんはナワルの幼少期から亡くなるまでを演じた)

中井:あの作品は本当に衝撃的でした。この間のケラさん(ケラリーノ・サンロドロヴィッチ)の『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』も大変だったのでは?

麻実:そうですね。カフカのちょっと得体のしれない世界観の中で、100歳のおばあちゃんや4歳の少女を演じたり。3時間半で20回着替えがあって、瞬時に変えていかないといけない。それに台本が稽古中に2枚くらいずつ出来上がってくる上に、作っては、良い舞台を創る為に壊すという積み木崩しのようなことの繰り返しでしたから。

中井:『~サナトリウム』は研ぎ澄まされた脚本だなと思いました。

麻実:私はケラさんとは以前『8月の家族たち』でご一緒しましたが、書下ろし作品は今回が初めて。ケラさんは当て書く方らしくて、最初に会ったときのイメージから稽古場でずっと人柄を観察してから、全部書き込んでいくみたいです。

中井:「自分はこんな風に見えているのか」というのが役柄に反映されるのですね。

麻実:そう見えているのでしょうね。「4歳児なんてやめてくださいよ」と言ったのに、最初の稽古場で見たら気に入って頂けたらしく、もう1場面増えてしまいました(笑)。
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中井:麻実さんの役が、一番振り幅が広かったですよね。

麻実:『炎 アンサンディ』で少女を演じた後だから、できたのかもしれない。恥じらいがマヒしてたんですね(笑)。でも、稽古場で最初の衣装合わせのとき、さすがの私も更衣室から出たくなくて(笑)。案の定、みんなに笑われましたけど、一度笑われてしまったら大丈夫になりました。

中井:でも、新しいご自分に出会うのはお嫌いじゃないでしょう?

麻実:4歳児が必要がなければお断りしたかもしれませんけれど、この作品には必要なんだなということがすぐわかったので。私が恥じらっていたら、お客様は見ていられませんものね。

中井:新しいご自身に出会うような作品にチャレンジするとき、お受けしようと思うきっかけとなるのは何なのでしょうか?

麻実:もちろん戯曲ですね。後は演出家への興味、期待ですね!私をどう調理して下さるんだろうと。ここは自由にやっていいよと言われたら、考えてから自分を爆発させます。

中井:そうやって新しい何かが巡ってきて、次々に扉を開いていくのですね。

麻実:そうかもしれませんね。共演者との出会いも大事にしています。私が「芝居って」と自問自答すると「大嫌い」と思うときもあるけれど、やっぱり芝居が大好きなんです。

中井:揺れますか。

麻実 揺れられるからいいんじゃないかなと。大好きという気持ちだけだったら、たぶんもうやっていないと思いますね。到達点は見えないけれど、もう少し何か見えないものに近づいてみたいという気持ちがあります。今までもすべて大切に演じてきましたけれど、これからの一作一作のほうが重さが増すような気がします。それは体力、年齢との戦いというのもありますね。もう少し私を持していきたい感じですね。でも、まだ自分に未知の所があるような気がして感じていないことがあるんじゃないかと思うんです。

中井:舞台って本当に、確かにあったはずなのに、観た人の心の中にしか残らない。はかないですね。

麻実:はかないからこそ、舞台が素敵なんでしょうね。スタッフの方たちが舞台を作ってくださる。裏にスタッフの皆さんがいて、見てくださるお客様がいて、みんなでひとつの世界を作っていく。決して一人ではできません。これが舞台の醍醐味なんでしょうね。

中井:そうですね。舞台と観客の間(あわい)でしか生まれることのない不思議な空間で、生身の人間が演じているということが不思議ですし、やみつきになる理由かなと思います。今回の『アナスタシア』はとても夢があるロマンティックなストーリーですが、ただ甘いだけの作品ではない気がします。

麻実:そうですね、ロシアの壮大な歴史の中から出発して、壮麗なロマノフ王朝が市民革命によって倒されてしまう。皇帝や皇族が処刑されたとき、アナスタシアだけ遺骨が見つかっていないようで、「アナスタシアは生きている」という伝説になったそうです。本当にアナスタシアが生き残っていて、普通の人生が歩めたらなんて素敵なんだろうという夢が、ここにあるんですね。マリア皇太后のコスチュームもとても素敵ですが、その中に何が収まっているのかということを感じながら演じることが大事なのではないかなと思います。

中井:そうですね。ただ美しくてきれいなだけではない。見終わった後には何かが残るミュージカルだと思いますし、そこはマリア皇太后が作り上げる部分だと思います。

麻実:そう思っていただけるように、頑張りたいと思います。

 

構成・文/演劇ライター・大原薫

麻実れいさんとの対談後記はコチラ↓
新春Special恒例 中井美穂の対談後記✐早出し

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
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2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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