中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.19】木ノ下裕一×中井美穂 Special対談▷木ノ下歌舞伎10周年公演・BUTAKOMEコラム「木ノ下裕一の歌舞伎の”ツボ”」もスタート♪

2016/05/05


 

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中井美穂さんが今回、対談相手に選んだのは木ノ下歌舞伎を主宰する木ノ下裕一さん。木ノ下歌舞伎は現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体。昨年上演した『三人吉三』が2015年読売演劇大賞作品賞上半期ベスト5にノミネートされた今注目の演劇ユニットです。中井さんも木ノ下歌舞伎の斬新なアプローチと深い作品性に惹かれた一人。BUTAKOMEでは木ノ下さんの歌舞伎コラム木ノ下裕一の歌舞伎の”ツボ”がスタート! さらに奥深く歌舞伎の面白さを伝える木ノ下さんに中井さんが直撃します。

 
ピカチュウは歌舞伎の襲名と同じ!?

 
中井:木ノ下さんはどういうきっかけで歌舞伎を好きになったんですか?

木ノ下:初めは落語だったんです。僕は和歌山市内の田舎出身なんですが、10歳のときに町内の催しに落語家さんが来てくれて初めて落語を聞いて「こんなに面白いものがあるのか」と思って。そこから、古典芸能全般が好きになりました。

中井:周りのお友達には同じような人はいなかったでしょう?

木ノ下:そうなんです。でも、友達ができないのはまずいと思って、どうすれば落語の面白さをクラスメートに伝えられるかを必死に考えました。で、実際、休憩時間に教室で見よう見真似で落語をはじめてみたんですね。それが結構ウケて(笑)。そのころは周りでは『ポケモン』が流行ってたんですけど、逆に、僕は全然興味もなかった。でも、ポケモンって例えば、ピカチュウは進化して名前が変わっていくけれど、それって歌舞伎の襲名と同じですよね。「モンスターを襲名させながら育てていくゲーム」だと思うと、ポケモンを面白がる友人の気持ちがわかるなって。こうやって自分の興味を惹きつけながら、友達の興味も惹き付けるということをずっとやっていたんです。

中井:そうか、木ノ下さんは集団がお好きなんですね。

木ノ下:そうかもしれないですね。一人でひっそり楽しむ…ということができないのかもしれません。自分が面白いと思ったものを、周りに伝えたくなる性分というか、ようはお節介なんですね(笑)。

中井:それで大学(京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科)に入って、木ノ下歌舞伎を立ち上げた。

木ノ下:僕は〈歌舞伎〉にはもっといろんな可能性があると思うんですね。歌舞伎って、台本ひとつとっても、それ自体が確固たる歴史を持っているから、もっとアカデミックにも読み解けるし、もっと自由にいじることもできると思うんです。『心中天の網島』でも『義経千本桜』でも、今演じられている歌舞伎と違う解釈で上演して「全然違うでしょ? でも、これも正解なんです」と言えるものを作っていきたい。それは自分一人がやっていても意味がないんですね。僕が補綴した歌舞伎の脚本を、僕がサポートしながら演出家に向かい合ってもらうことで、いくつもの〈視点〉が歌舞伎に入り込む。それって豊かなことなんじゃないかな、と思っています。

中井:木ノ下さんが補綴と監修だけで、キャストと演出家を呼ぶという木ノ下歌舞伎のスタイルはいつ頃から?

木ノ下:そもそも2006年の旗揚げ公演で、当時大学の先輩だった杉原邦生さんに演出してもらっているんですね。それが面白くて。演出家からアイデアが出てくるたびに自分の既成概念とか発想を木っ端微塵にされる感覚も爽快。それで、2010年くらいからは一切自分は演出しないと決めたんです。おこがましいですが、日本の古典について考えたり、演じたり、演出したりしたことのあるアーティストを、木ノ下歌舞伎を通して輩出したい。そうやって日本の古典のポテンシャルを引き出せる演劇人を増やす草の根運動ができればと思うんです。

 

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木ノ下歌舞伎を見たら古典も見たくなる

 

木ノ下裕一(きのした ゆういち)プロフィール

木ノ下歌舞伎 主宰。1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『義経千本桜』(’12)、『黒塚』(’14)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’14)、『三人吉三』(’14、’15)、『心中天の網島』(’15)。
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。

■木ノ下歌舞伎 公式サイト http://kinoshita-kabuki.org/
■木ノ下裕一 公式Twitter

 

■□■木ノ下歌舞伎☆Information ■□■
 
『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』

作:竹田出雲、三好松洛、並木千柳
監修・補綴:木ノ下裕一
演出:多田淳之介(東京デスロック)
出演:大石将弘、大川潤子、榊原毅、佐藤誠、佐山和泉、武谷公雄、立蔵葉子、夏目慎也、山本雅幸

■名古屋公演:2016年5月27日(金)–30日(月) 愛知県芸術劇場 小ホール
【日時指定・入場整理番号付き自由席】
前売:一般 3,000円 / 学生(25歳以下)2,000円 / 高校生以下 1,000円
当日:それぞれ500円増し

■東京公演:2016年6月2日(木)–12日(日) 東京芸術劇場 シアターイースト
【日時指定・入場整理番号付き自由席】
前売:一般 3,800円 / 学生(25歳以下)2,800円 / 高校生 1,000円
当日:4,000円

■豊川公演:2016年6月18日(土) ハートフルホール[豊川市御津文化会館]
【日時指定・自由席】
前売:一般 2,000円 / U-24 1,000円
当日:一般500円増し

※詳細は「木ノ下歌舞伎」公式HP

 

『勧進帳』

演出・美術:杉原邦生
監修・補綴:木ノ下裕一
出演:リー5世, 坂口涼太郎, 高山のえみ, 岡野康弘, 亀島一徳, 重岡漠, 大柿友哉

■松本公演:2016年7月14日(木)〜16日(土)まつもと市民芸術館 小ホール
【日時指定・全席自由】
料金:一般 3,500円 / U-25 (25歳以下) 2,000円

豊橋公演/10月22日(土)・23日(日)、京都公演/11月3日 (木) 〜 11月6日 (日)、北九州公演/11月19日(土)・20日(日)も予定

※詳細は「木ノ下歌舞伎」公式HP

 

 

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【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.43(後編)】稲垣吾郎×中井..

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Profile

ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2019/09/30

【早霧せいなのビタミン“S”】其の十八.「自然を直に感じること」

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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