中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.31】趣里×中井美穂 Special対談☆『ペール・ギュント』~日韓文化交流企画 世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演~

2017/11/24


 

中井美穂・趣里

撮影/吉原朱美

 
12月6日に世田谷パブリックシアターにて開幕する日韓文化交流企画『ペール・ギュント』主人公ペールの波乱万丈の“自分探しの旅”が描かれた、ノルウェーの劇作家イプセンによる壮大な思想劇です。今回、中井さんは、浦井健治さんが扮するペールの旅の終わりを待ち続ける、恋人ソールヴェイ役で出演する趣里さんにお話をうかがってきました。対談の前に行われた制作発表にも参席した中井さんは、韓国人演出家ヤン・ジョンウンさんやキャストの浦井さん、趣里さん、マルシアさんなどが舞台について熱く語る姿、またカンパニーの雰囲気の良さを目の当たりにして、さらに興味をそそられたようでした。日韓の俳優総勢20名によって立ち上がる舞台、気になります!

 
中井:最初はこの舞台のためのワークショップを受けられたのですね。昨年ですか?
 
趣里:そうです。日韓合同舞台のワークショップ・オーディションがあるから、と聞いて。日韓合同で何かをやるなんて、滅多にない機会だぞ!と。どんな出会いがあるのか、どういう世界が見られるだろう……とワクワクして、絶対に受けたいと思ったんです。
 
中井:ワークショップではどんなことをしたのですか?
 
趣里:具体的に言いますと、ペアを組んで、相手を鏡に映る自分と見立てて……。リーダー、フォロワーを決めて、リーダーが動いたらフォロワーもそれに合わせて動く、っていう。音楽もかけながら、“鳥になる”というシチュエーションだったり、途中で「ハイ、叫んでください!」って指示が出たりして。
 
中井:鳥として!?
 
趣里:鳥として(笑)。キャアアーーー!みたいな。あと、『ペール・ギュント』に精神病院のシーンがあるんですけど、「神様が来るので、自分の悩みを訴えてください」とか、「神様が願いを叶えてくれないので、皆さん、自分のタイミングで死んでいってください」みたいな(笑)。なかなかそういうふうにパッと意識を持っていけない人は苦戦しますよね。
 
中井:趣里さんは、すんなり入っていけるほうですか?
 
趣里:時と場合によりますね。やりながらも、もちろん客観的な自分もいて。でも、「すごくいい経験をしているぞ!」って感じていましたね。
 
中井:『ペール・ギュント』の戯曲はそれ以前にも読んでいたのですか? クラシック音楽にもありますよね。
 
趣里:はい、何かしらで耳にして知ってはいましたし、家にイプセンの戯曲があったので、なんとなくは読んでいたんですが……。
 
中井:なかなか理解するのが難しい世界観ですよね。『ファウスト』『キャンディード』など、自分自身を探しに行く、それが時空を超えたり、神様が出てきたりして、目の前で起こっていることの意味がわからなくなったりする一連の作品などありますが、『ペール・ギュント』もそんな感じですよね。
 
趣里:そう、膨大なイメージを抱かせる作品なので、取りかかりが難しいなと感じました。今も稽古場で、「これは現実なのか。そうじゃないかもしれない……」と皆で話し合ったりしています。
 
中井:演出のヤンさんが韓国で上演した『ペール・ギュント』の舞台の映像を拝見したのですが、衣裳がものすごくポップで、舞台全体も色彩豊か。これをそのままやるのか!と最初は思いましたが、今回はスタッフはすべて日本人なのですね。
 
趣里:そう、音楽も。「新しいことを見つけたい」とヤンさんがおっしゃっているので、結構変わっていくと思います。これまでの舞台の稽古場では、作品の細かな背景を探ったり、自分と役を重ね合わせる作業は個人的にやっていって、いきなり立ち稽古というパターンが多かったんですけど、今回はそういったすべてを全員で共有しているんですね。それで、「困ったことが起こっても、皆がいるから」という連帯感をすごく感じて。舞台って本来そういうものなんですけど、こんなに感じたことはないっていうくらいに。
 
中井:ヤンさんや韓国人キャストの皆さんの挨拶を記者会見で聞いていて、表現力と説得力がすごい!と皆さんご自身の「言葉」があるなと感動しました。日本人の俳優さんたちだと、なかなかあそこまで述べる人はいないから。
 
趣里:そうなんです。「愛について」とか「つながりについて」とかいった話がけっして表面的じゃなく、本心からの言葉だということが韓国人の皆さんからは感じられるんですよね。それによって私たち日本人もどんどんオープンになっていって。
 
中井マルシアさんが「本読みを1日8時間やっている」っておっしゃっていましたね。
 
趣里:はい。上演台本を読んで、原作も皆で読んで、「どう感じましたか?」って話し合って。「こんな視点もあって、僕はこう感じた」って誰かが言うと、そこからまたさらに話が広がって。自分の個人的な話をしてくれる人もいて……。それに影響されて自分も話したくなったり、いろんなことを考えたり……。これまで一人でやってきたそうしたことを、皆でやってる。その面白さがあります。
 
中井:へえ〜! 会ってまだ数週間くらいしかたっていない人に、これまで話したことのないような個人的なことを話している状況って面白いですね。
 
趣里:はい、客観的に見たら、何やってるんだろ!?って気にならないと言ったら嘘になりますけど(笑)。でも本当に、すごくいい経験をしている、その実感はあります。
 
中井:皆さんそれぞれ、今まで生きてきた長さ分の経験しか持ってないですよね。肉体も、感情も、そこの差がある。年齢だけでなく、本人の器も、質も……。そういうものを見せなくちゃいけない。怖くないですか?
 
趣里:怖いですね。でもお芝居って本来、そういうことだと思うんです。自分の経験や感じていることを、役として出す。……というか、出ちゃう。皆の前であえてそれを言わなくても、今回の現場は皆ダダ漏れ……みたいな(笑)。しゃべらなくても、動きだけでもそれぞれの人生観が出てしまう。それを受け入れてくれて、見ていられる現場ってなかなかないなって。そこにいられる自分を幸せに思います。

 

<次のページ>
この作品には、“生きる”ということがそのまま詰まっている

 

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 
『ペール・ギュント』
~日韓文化交流企画 世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演~

原作:ヘンリック・イプセン
翻訳:クァク・ボクロク
上演台本・演出:ヤン・ジョンウン
上演台本翻訳:石川樹里
出演:浦井健治、趣里、ユン ダギョン、マルシアほか

公演期間:2017年12月6日(水)~24日(日)

会場:世田谷パブリックシアター

料金:S席(1・2階)8,800円、A席(3階)5,400円 ほか
※未就学児入場不可

※12月30日(土)・31日(日)兵庫公演あり

※公演の詳細は公式HP

 

『ペール・ギュント』
ライブビューイング決定!!

日時:2017年12月20日(水)18:30開演

会場:全国各地の映画館

チケット料金:3,800円(全席指定/税込)
※3歳以上有料

制作発表会の様子や出演者のインタビューなどを織り交ぜた映画館限定のスペシャル映像も上映!

※ライブ・ビューイング情報ページはこちら

 

 

 

BUTAKOME ファンクラブ
【LINE@ はじめました】
先行販売・お得なチケット情報をお届けします♪

LINEアプリの「友だち追加」から
ID:@butakome を検索するか、
下記の友だち追加ボタンから登録してください。

友だち追加数

 

1 2 3 4 5

※画像およびテキストの転載を禁止します。

バックナンバー

インタビュー

前山剛久003

前山剛久

▷シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』▷2.5次元もミュージカルも、全ジャンルや...

一覧はこちら

BUTAKOME動画チャンネル

連載☆エンタメコラム

2020/02/06

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.46】麻実れい×中井美穂 S..

open

close

Profile

ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2020/02/29

【早霧せいなのビタミン“S”】其の二十三.「影響しあうこと」

open

close

Profile

長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

open

close

Profile

1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

NYから直送!「最新ブロードウェイミュージカルレポート」

ブタコメ編集部

関連サイト

  • LIVING
  • CITY LIVING
  • あんふぁん