歌舞伎

【取材会レポート】尾上松也・坂東巳之助・中村歌昇『新春浅草歌舞伎2020』への熱き思いを語る!▷6年の積み重ねがあればこそ、今できる限りのチャレンジを

2019/12/27


 

浅草歌舞伎2020001

(左より)坂東巳之助さん、尾上松也さん、中村歌昇さん
撮影/黒澤義教

 
2020年の幕開きを華やかに彩る「新春浅草歌舞伎」尾上松也さんを中心としたメンバーで上演されるようになって今回で6年目。若手花形が集まるフレッシュな息吹の中に、歌舞伎の醍醐味を感じられる今年の演目に注目が集まっています。
尾上松也さん、中村歌昇さん、坂東巳之助さんが取材会で公演に向けた意気込みを語りました。

 

6年の積み重ねがあればこそ
今できる限りのチャレンジを

 
時代が令和となって初の開催となる「新春浅草歌舞伎」。第1部が『花の蘭平』『菅原伝授手習鑑 寺子屋』『茶壺』、第2部が『絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場』『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』が上演されます。
 
『寺子屋』の松王丸は以前からいつか演じたいという気持ちでいたお役です。浅草歌舞伎の演目をみんなで話し合う機会があると、必ずと言っていいほど、『寺子屋』が挙がりました。浅草歌舞伎としてはようやく上演する機会を得られて嬉しいです」と、『寺子屋』が演じられる喜びを語る尾上松也さん。
「松王丸は自分の思いを押し殺して検分役に徹する前半、すべてを打ち明ける後半と分かれています。現代ではなかなか理解できない事態かもしれないですが、お客様には何故そうなったか、腑に落ちて胸に詰まるような思いをしていただけるように、松王丸の魂をしっかり演じたいと思います」
 

尾上松也

 
そして、松也さんは第2部では歌舞伎の代表的な古典の演目『仮名手本忠臣蔵』七段目の「祇園一力茶屋の場」で大星由良之助を演じます。「まさか、三十代前半で由良之助を演じるとは想像していませんでした。自分の本当の思いを押し殺して過ごしているところは松王丸と由良之助の共通点ですが、由良之助は放埓(ほうらつ)を装わないといけない。仇討ちへの思いを持ちながらも、にじみ出る大きさや雰囲気が必要なお役です。(片岡)仁左衛門のお兄さんにご指導いただきながら、少しでも近づいていけるように精進してまります」と意気込みを語ります。
 

中村歌昇

 
第1部、第2部を通して4演目に出演する中村歌昇さんは第二部の『絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場』で演じる武智光秀(本能寺で織田信長を討った明智光秀をモデルとした役)について、「年齢と経験が必要なお役。(中村)吉右衛門のおじ様に教えていただけるのがとてもありがたいことです。吉右衛門のおじ様から“大きさが必要な役”というお言葉をいただきました。自分が今できる限りのことをしていきたいと思います」と決意を述べました。
 
歌昇さんがもう一つ楽しみにしているのは『茶壺』坂東巳之助さんと一緒に踊ること。「同い年の巳之助くんとしっかり組んで踊ることはこれまでになかったので、いっぱい叱られながら勤めたいと思います(笑)」と言うと、巳之助さんから「誰に(笑)?」と突っ込まれる場面も見られました。
 

坂東巳之助

 
『茶壺』巳之助さんの父(十代目坂東三津五郎さん)、祖父(九代目坂東三津五郎さん)と大和屋が代々演じていて、日本舞踊坂東流としても大切にしている演目。「ユーモアのある面白い演目なので、目いっぱい楽しみながら、お客様を楽しませることができたら」と巳之助さん。
 
巳之助さんは第2部『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」では寺岡平右衛門を演じます。「教えていただいたことを忠実に演じることが、お客様に作品の魅力を伝えることにつながっていくと思います。一つ一つ、自分の中に取り込んで吸収し、自分の体を使って表現できるように励みたい」と誠実な取り組みを語ります。

 

新春浅草歌舞伎

 

演目の見どころについて

 
『寺子屋』は現代ではありえないような状況ではありますが、親兄弟へ愛情や主人への忠誠心が濃くにじみ出ている作品」(松也さん)

『茶壺』は現代にも通じる日本古来のコントのような作品。何も考えずにご覧になって笑っていただけると思います。第1部の最後の演目なので、見終わった後のお客様に『年明けに歌舞伎を見てよかったね』と言っていただける最後の一押しとして『茶壺』が機能できたらと思います」(巳之助さん)
 

坂東巳之助

 

『仮名手本忠臣蔵』七段目は人気演目の一つ。場面としても華やかですから、しっかり盛り上げていきたい」(松也さん)

『絵本太功記』十段目は本能寺の変で謀反を起こした後の光秀の家族一人一人にスポットが当たっています。一つの家族のドラマとしてお見せできると思う」(歌昇さん)
と、それぞれ力強く語りました。
 

新春浅草歌舞伎

 

新春浅草歌舞伎

 
新春浅草歌舞伎が松也さんをリーダー的存在としたメンバーで演じられるようになって6年目。
 
松也さんは
「新春の歌舞伎公演の中で一番の若手公演ですが、チャレンジは続けていきたい。初年度の頃に比べれば、浅草歌舞伎以外でもそれぞれが責任を持たせてもらえる場が増えてきました。僕たち一人一人が自覚を持つようになった今、浅草歌舞伎で僕たちができることをしっかり打ち出していきたい」と気合が入ります。
 
歌昇さんは
「令和に元号が変わった新しい時代でも歌舞伎の先人からの知恵、型を継承し、勉強していくことが大事」と真摯な姿勢を見せました。
 

さらに、
「上演時間もコンパクトで、観劇料も抑えられているのでお財布にも優しい。普段歌舞伎をご覧にならない方にも気軽に楽しんでいただけると思います」(巳之助さん)

 

「浅草の地元の皆さんにご協力していただいている公演。街ぐるみで楽しんでいただけると思います。浅草の醍醐味といえば、芝居を観た後に浅草に繰り出してご飯を食べたり、観る前に浅草寺にお参りに行ったり、街自体がテーマパークのような魅力的なところ。そこで公演できる幸せを感じながら、皆さまに楽しんでいただきたいと思います」(松也さん)
と、新春浅草歌舞伎ならではの楽しみ方も伝授しました。

 
新春浅草歌舞伎は1月2日~26日、浅草公会堂にて上演されます。

 

取材・文/演劇ライター 大原 薫
撮影/黒澤義教

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 

浅草歌舞伎ポスター

 
『新春浅草歌舞伎』
 
出 演:尾上松也/中村歌昇/坂東巳之助/坂東新悟/中村米吉/中村隼人/中村橋之助
中村錦之助

 
公演日:2020年1月2日(木)~26日(日)
第1部 午前11時~
第2部 午後3時~
※19日(日)第2部は「着物で歌舞伎」

会 場:浅草公会堂(浅草)

料 金:1等席9,500円、2等席6,000円、3等席3,000円

 
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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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