宝塚

【制作発表会見レポート】宝塚歌劇月組公演▷日本オーストリア友好150周年記念 UCCミュージカル『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』

2019/09/04


 

月組会見190820001

月組トップスター・珠城りょうさん(写真右)、月組トップ娘役・美園さくらさん
撮影/吉原朱美

 
ミュージカル『エリザベート』、ミュージカル『モーツァルト!』を生んだウィーン劇場協会の最新ヒット作ミュージカル『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』が宝塚歌劇団月組により、日本オーストリア友好150周年記念公演として2019年10月から上演されます。ウィーン劇場協会のCEOらがオーストリアから来日して出席し、月組トップコンビ・珠城(たまき)りょうさん、美園(みその)さくらさんが華やかなパフォーマンスを繰り広げた制作発表会の模様をレポートします。
 

ウィーンでもっとも成功したミュージカルを宝塚歌劇で上演

 
『I AM FROM AUSTRIA』はウィーン劇場協会が、2017年9月にオーストリアそのものを題材として制作したミュージカル。オーストリアの国民的シンガーソングライターのラインハルト・フェンドリッヒさんの名曲の数々で綴り、「故郷」や「家族」をテーマとしながら華やかなレビュー満載の舞台で2019年6月まで異例のロングランを果たしました。
 
I AM FROM AUSTRIA
 
日本初演となる宝塚歌劇団月組の制作発表会は珠城りょうさんと美園さくらさんによるパフォーマンスから始まりました。老舗ホテルの跡継ぎで新たな改革を掲げるジョージ・エードラー役を演じる珠城さんは、登場の瞬間から圧巻の存在感で衆目を集めます。「NIX IS FIX(全てが可能)」というナンバーで軽妙にダイナミックに歌声を響かせました。続いて珠城さんとハリウッド女優のエマ・カーター役を演じる月組トップ娘役・美園さくらさんによるデュエット「I AM FROM AUSTRIA」。オーストリアの第二の国歌とも呼ばれる曲で、オーストリアへの郷愁を美しく歌い上げます。
 
I AM FROM AUSTRIA

 
次いで、登壇された皆さんから挨拶が行われました。

 
小川友次理事長
 
宝塚歌劇団の小川友次理事長は、1996年宝塚歌劇での『エリザベート』初演以来築いてきたウィーン劇場協会との絆に触れ「月組で上演させていただくことは本当に光栄」と感慨の面持ちを見せました。「宝塚歌劇105周年の目玉の作品を考えている頃、2年半前に『I AM FROM AUSTRIA』を上演すると聞いて、ウィーンまで観に行った。素晴らしい音楽、宝塚にも合う『故郷』というテーマの明るい作品だなと思い、『ぜひ宝塚で上演させていただきたい』とCEOに申し上げてご快諾いただき、本当に感動しました」と上演の経緯を語りました。

 
UCC上島 達司代表取締役会長
 
本公演を協賛するUCC上島珈琲の上島達司会長は「劇中に出てくるのがショートケーキで、『ウィンナコーヒーは出てこないんですか?』とお聞きしたんです。『次はぜひウィンナコーヒーがテーマのミュージカルを』と(ウィーン劇場協会の)CEOにお願いしました(笑)」とユーモアたっぷりにご挨拶。「『ミー&マイガール』(1987年月組公演)で初めて宝塚歌劇の協賛をさせていただいて、今回で通算5回目を迎えたことを、大変光栄に思います。私どものモットー『グッドコーヒースマイル』と同様にこのミュージカルを通じてスマイルを広げ、大成功を収めていただきたい」と大きな期待を寄せました。
 
フランツ・パタイ
 
ウィーン劇場協会が生み出した世界的傑作ミュージカルといえば、『エリザベート』『モーツァルト!』。現在21の国で上演され、今まで6200万人以上がこれらの公演を観劇しましたが、「我々のサクセスストーリーは23年前。海外で初めての国として宝塚歌劇団が『エリザベート』を上演したことに始まります」と宝塚歌劇との特別なご縁を明かしたのは、ウィーン劇場協会CEOのフランツ・パタイさん。「ウィーン劇場協会と宝塚は四分の一世紀の友情関係にあります。『I AM FROM AUSTRIA』という作品を通して、我々の関係がもっと深まっていくことを祈ります。本作はオーストリア人であれば、誰もが知っている作品。私の希望としては宝塚での上演により、『I AM FROM AUSTRIA』が『ドナウ川のさざなみ』と同じように、有名になることを祈っております」と思いの丈を語りました。
 
クリスティアン・シュトゥルペック

 
ウィーン劇場協会の総監督、クリスティアン・シュトゥルペックさんは『I AM FROM AUSTRIA』という作品について、「我々がウィーンで制作した、もっとも成功したミュージカルの一つ」と胸を張ります。「宝塚歌劇団が我々に大きな信頼を寄せてくださり、『I AM FROM AUSTRIA』を、ここ日本で初めて舞台にかけてくださることは、大きな名誉です」と誇らしげに語り、「オーストリアとの強い関係性を持つ新たなミュージカルを創作するのは特別なことでした。本作はオーストリアに対する愛情豊かなオマージュであり、強いエモーションにあふれた作品。この物語はどこが自分の故郷なのか、どこが自分の家なのかという非常に重要な問いを扱っている」と、本作のテーマを訴えます。

 
ティトゥス・ホフマン
 
脚本のティトゥス・ホフマンさんは3年半という長い歳月を費やした制作過程の中で「『I AM FROM AUSTRIA』は、最初のアイディアの頃より軽快にユーモアに溢れた、エモーショナルかつ深く心に触れる、まさにウィーンオペレッタの伝統の中で、しかしモダンなストーリーであること」を意図して脚本を綴ったと述べました。オーストリアの国民的なシンガーソングライターのラインハルト・フェンドリッヒさんのヒットナンバーを元に「楽曲の場所を先に決め、いわば後付けで話の筋を練り上げる構築するというプロセスは特殊ではありましたが、非常にエキサイティングな作業でした。もちろん最終的には、あたかも我々の物語のために楽曲が作曲されたと思えるような効果を得ました」と本作の独自な創作過程を披露しました。

 

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チームワークの良い月組にぴったりの作品

 

■□■ BUTAKOME☆Information ■□■
 

月組IAMFROMAUSTRUA

©宝塚歌劇団

 

日本オーストリア友好150周年記念
UCCミュージカル
『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』
I AM FROM AUSTRIA – The Musical with Songs by Rainhard Fendrich
Music and Lyrics: Rainhard Fendrich
Book: Titus Hoffmann & Christian Struppeck
Original Production by Vereinigte Bühnen Wien
Worldwide Stage Rights: VBW International GmbH
Linke Wienzeile 6, 1060 Vienna, Austria
international@vbw.at  www.vbw-international.at

作曲・作詞/ラインハルト・フェンドリッヒ
脚本/ティトゥス・ホフマン、クリスティアン・シュトゥルペック
オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会
潤色・演出/齋藤 吉正

 
《宝塚歌劇月組》
■宝塚大劇場公演
2019年10月4日(金)~ 11月11日(月)

■東京宝塚劇場公演
2019年11月29日(金)~ 12月28日(土)
※一般前売 2019年10月20日(日)

※公演の詳細情報は宝塚歌劇公式HP

 

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【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.43(後編)】稲垣吾郎×中井..

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2019/08/31

【早霧せいなのビタミン“S"】其の十七.「変化(チェンジ)をいとわな..

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

2019/08/22

【9月11日リリース決定】加藤和樹さん、配信シングル「Tell Me..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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