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落語「J亭」

広瀬和生の「J亭を聴いた」(平成21年3月分)<1>

2009/03/27




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談笑さんの語りを見つめます


記念すべき第1回「J亭談笑落語会」が、3月27日(金)19時から虎ノ門にあるJ亭(JTアートホール アフィニス)で開催されました。

当日の演目の中から3本について、著書『この落語家を聴け!』でおなじみの広瀬和生さんに解説をいただきました。



『花見の仇討』

見物人をアッと言わせる花見の趣向を…と企む八公、清さん、亀、熊の江戸っ子四人組。八公の提案で「巡礼兄弟の仇討」の茶番をやろうということになる。亀と熊が巡礼兄弟、仇が八公で、仲裁に入る六部(正確には六十六部/全国六十六箇所を行脚する巡礼の旅を行なう修行僧)を清さんが演じることに。

しかし亀はどうしても「謎の東洋人」を演りたいと主張、「じゃいいよオマエは謎の東洋人で」と譲歩する八公。花見当日、八公は煙草を吸いながら目立つ桜の根元で他の三人を待つ。六部の格好をした清さん、花見に向かう途中で運悪く神田の叔父さんに「何だお前その格好は!」と見咎められ、家に連れて行かれてしまう。巡礼兄弟役の片割れ熊は相棒の亀を見て驚愕。「巡礼のカッコして来いって言っただろ! 何だそのチャイナ服と辮髪は!」「謎の東洋人でいいって…」 ともあれこの二人、途中で侍に無礼を働くこともなく真っ直ぐ桜の根元へ来て八公と合流。続いて六部もやって来るのが見えた。「この段階で六部が登場するのってこの落語じゃ画期的だからな!」(笑)

 三人が仇討ちの茶番を始めると、アッという間に見物人の山が出来て、六部が中に入ってこられない。そうこうするうちに通りがかった侍が「何? 仇討ち?」と助太刀を買って出る。人垣がさっと分かれて中に走りこむ侍。六部も追いかけるが侍のほうが早い。「えっ!? 助太刀!? 困るよ本物に来られちゃ!」 仕方なく三人は「花見の趣向なんです」と打ち明ける。すると侍は「何? 町人が武士になりすましたと申すか!」と激怒、「無礼討ちにしてくれる!」と大変な事態に…。

 J亭第一回を記念して「煙草を吸う仕草の入る噺を」と選んだ(笑)談笑版『花見の仇討』は、通常とは大きく異なる展開と意外な結末で落語ファンをアッと言わせた。今回がネタ下ろし。

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熱を帯びてくる談笑さん


『天災』

大家のところに「離縁状二本書いてくれ!」とやって来た八五郎。この男が実の母親に暴力を振るう乱暴者なのを憂いた大家は知り合いの心学者紅羅坊名丸先生を紹介し、説教してもらうことに。大家からの手紙を携え「いい気持にさせるってのはテメェか!」と紅羅坊を訪ねてきた八五郎があまり短気で乱暴なのに驚いた紅羅坊は「喧嘩は損をしますぞ。柳のような心持になれませんか?」と堪忍を説くが、八五郎は「本気で人にモノを教えようと思って喋ってるのか!? テメェは人から教わったことをただ言ってるだけだろ!」と真正面から反論。グッと詰まった紅羅坊は様々な喩え話でムキになって八五郎を言い負かそうとし、遂に「あなたは広い原中にいる。雨が降ってきてズブ濡れだ。居酒屋も一軒も無い、雨宿りをする木も一本も無い。どこまで逃げても雨。キサマはズブ濡れの負け犬だぁっっ! さあ誰を殴れば気が済む?」と勝ち誇る。その憎々しさに「オメェだ!」と紅羅坊をボコボコにする八五郎。

「何でそんな話を俺にするんだ? 殴られて腹が立つだろ?」と訊くと、紅羅坊は「これが心学者のさだめ、あなた一人救えないようでは誰も救えない。人を救うためなら命も要りません!」と熱弁を振るう。その勢いに押された八五郎、「天から降った雨だと思って諦める、コレ即ち天災」という考え方を受け入れる。「今日は俺の完敗だ。俺も天災ってのやるよ。布教活動に務める」と洗脳された八五郎は長屋に帰り、早速熊公に天災を教えようとするが、混乱に混乱を重ねて「俺は負け犬だぁっ!」と号泣した挙句、熊を殴って「天が殴ったと思え!」と…。

談笑版『天災』は毎回アドリブで変わる「八五郎と紅羅坊の闘い」がスリリング。憎々しいわりに熱血漢な紅羅坊、乱暴者なのに紅羅坊よりむしろ論理的な八五郎と、他の演者の『天災』にはない特異なキャラ設定が爆笑を呼ぶ痛快な一席だ。


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『文七元結』

毎日博打に明け暮れ仕事をしない左官の長兵衛、今日もスラれて無一文になってハッピ一枚で戻ってくると、十七になる一人娘のお久が帰ってこないと女房が泣いている。そこへ吉原の大店、佐野槌から遣いが来て「娘さんはうちに来ている」という。着物を総て質に入れている長兵衛、仕方ないので女房の真っ赤な女物の襦袢を着て吉原の佐野槌へ。女将に会うと、横にはお久が。「この子は『私を買ってくれ』って来たんだよ」と女将。借金だらけで女房に暴力を振るう長兵衛が真っ当に働いてやり直すために自分を買ってくれと言った娘の心根にほだされた女将は、借金を返すのに必要な五十両を長兵衛に貸し与える。その条件は佐野槌でお久を預かること。

「来年の大晦日までに五十両返せばこの子は女郎にはしない。でも返しに来なかったら私は鬼になるよ。娘が自分で自分を買ってくれと言いに来たのはうちじゃこの子で二人目。私の…いや、一人目のおとっつぁんって人は金を返しには来なかった。長兵衛さん、オマエは来てくれるね?」

店を出た長兵衛が「お久、オメェは本当の江戸っ子だ」と呟きながら吾妻橋に差し掛かると、川へ身を投げようとする若い男がいる。力づくで引き止めてワケを訊くと、「店の遣いで取りに行った五十両を盗られてしまって…身寄りの無い自分を育ててくれた恩人であるご主人に合わせる顔が無い、もう死ぬしかないんです」と言う。「オマエが死んでも五十両は出てこないんだから死ぬんじゃない」と何度説得しても死ぬと言い張る男。「放っといてください! いいじゃないですか私が死んだって。良心の呵責ってヤツですか? 江戸っ子は自分より人のことを先に考えるなんて嘘だ。あなただって、通りかかって運が悪いと思ってるんでしょ? 江戸っ子なんて居ないんだ!」という男の言葉にカッと来た長兵衛は「俺の娘は江戸っ子だっ!」と叫び、大事な五十両を投げつけてしまう…。

 三遊亭圓朝作の人情噺としてあまりにも有名な『文七元結』を、立川談笑は全くオリジナルの解釈で徹底的に作り変えた。途中に何重にも落語ファンの度肝を抜く仕掛けを施しながら感動のフィナーレへ持っていく演出はまさに革命的。「江戸っ子の心意気を描く」噺でありながら現代人の感覚でも納得できる感動の人情噺として生まれ変わった談笑版『文七元結』は、従来の落語に風穴を開ける談笑の真骨頂とも言える名演だ。



J亭 うちあげ話 vol/1

談笑落語会 四季 春 初日。

打ち上げ会場は虎ノ門に近い西新橋2丁目交差点近くにある「ぐいん(guin)」という店。名店ぞろいの多い新橋でここは初めて。看板を見て、経験則としての「よさげな」予感。

談笑師匠のお知り合いの、編集のお仕事をされている方の旦那様のお店(まわりくどい)というご縁で打ち上げ会場に。
店内はコンパクト。言葉を変えればタイト、まあ、広くないというところでしょうか。

カウンター席と、向き合いテーブルがコックピットのごとく収まるフシギな空間。
しかしながら、肌理の細かいサービスと料理で店も内容もギュット凝縮された、うまく収まった店。
期待は小布施ワイナリーから出している日本酒。初めてでした。日本酒とワインをミックスしたような甘い香りと味が女性受けしそう。酒豪系女性の方には例外もいるとのことですが。

料理は出し巻き卵や熱々のごぼうのてんぷら、そして談笑師匠が盛んに口に入れていたレバ刺し(極めて小さく丁寧に薄く2センチ四方くらいにスライスし、生姜をナノサイズにのせた、手のかかったもの)や、超新鮮なお刺身。まさに「ぐいん」といきたくなるような料理ばかり。その他「野菜の黒糖ピクルス」とか「豚トロの朴葉焼き」、「生海苔あんかけチャーハン」などタイトルを聞いただけでもそそられるものばかり。このタイトルにいきつくこと自体、レベルの高さが感じられます。
弁護士をめざしていた談笑師匠が学生時代の司法研究室の仲間と飲むと「先生!先生、師匠!先生」と、どっちが偉いんだみたいな呼び合いなるという話など聞きつつ、厳しい反省会の後ということもあり、いろんなコトで盛り上がり、気がついたら日付も変わっていました。最後にはリーズナブルな料金にも安堵しつつ散会。(佐)

新橋 「ぐいん」にて

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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