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落語「J亭」

広瀬和生の「J亭を聴いた」(平成26年4月分)<44>

2014/05/31


2014年4月10日(木)、「J亭 桃月庵白酒独演会」。
演目は以下のとおり。

金原亭駒松『手紙無筆』
桃月庵白酒『壺算』
桃月庵白酒『犬の災難』
~仲入り~
柳家ろべえ『芝居の喧嘩』
桃月庵白酒『転宅』


白酒の一席目『壺算』の面白さは相変わらずだ。
2008年の拙著「この落語家を聴け!」でも「白酒の十八番と言える噺に『壺算』がある」と書いているが、今なおその新鮮な可笑しさは色褪せない。白酒の演じる店主の尋常ならざるうろたえ方、最初から詐欺師オーラ全開で騙しに掛かる客の押しの強さ。この噺を正攻法で演ろうとしたら白酒の右に出る者はいないだろう。(違う切り口で『壺算』を別の切り口で爆笑編に仕上げたのが三遊亭萬橘。立川談笑は現代に置き換えて『薄型テレビ算』にしている)

二席目『犬の災難』は古今亭志ん生が『猫の災難』を犬に置き換えて作ったもの。
こういう「古今亭の演目」を現代に伝えるのみならず、その面白さもまた志ん生に匹敵する白酒の存在は本当に大きい。一人でどんどん酒を飲んでしまう男の酔っ払っていく様子の可笑しさは白酒ならでは。こういう「調子のいいヤツ」の身勝手な言い分がまた、白酒には実によく似合う。(笑) この噺、志ん生は特にオチをつけずに「……『犬の災難』というお笑いで」とサゲていたが、白酒は友人が赤犬を棒で殴りつけようとして「テメェが喰ったのか!」と言うと犬が「クワン、クワン」でサゲる。

仲入り後は柳家喜多八の弟子で二ツ目の柳家ろべえ
『芝居の喧嘩』はもともと講釈師が演っていたネタで、若き日の立川談志がこれを落語として寄席の世界に広めた。

白酒が三席目に演じた『転宅』もまた白酒十八番と言えそうだ。
モテない泥棒のオドオドした様子とマヌケなキャラ設定がまず見事、その泥棒が思いもよらず美人と所帯を持てることになってハシャギっぷりは徹底的にバカバカしくて素敵だ。「呼び捨て」に興奮する泥棒、翌日歩きながら妄想に耽って独り芝居をエスカレートさせていく様子(所帯を持って出来た一人娘を嫁にくれと言う男が現われて「娘はキミにくれてやる、その代わり俺に一発殴らせろ、なんてさだまさしみてぇなことを!」まで妄想が進んでいくのは白酒だけだ)等々、「白酒だからこそ!」という可笑しさが随所に溢れる。泥棒に事情を話す「向かいの男」の「ここで話してまた笑おうよ」も白酒らしい台詞。『転宅』が本来持っている面白さを極限まで高めた名作だ。

三席とも「これぞ白酒!」というベストセレクション。もっとも、白酒は何を演っても楽しいのだけれど。充実の一夜だった。

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

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尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

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