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落語「J亭」

広瀬和生の「J亭を聴いた」(平成28年6月分)<72>

2016/06/21


J亭三三_01886月16日(木)、「J亭落語会 柳家三三独演会」。
演目は以下のとおり。

柳家圭花『狸賽』
柳家三三『妾馬』
~仲入り~
柳家三三『のめる』
柳家三三『錦の袈裟』

三三『妾馬』は「前半を膨らませて後半をクドく描かずスパッと終わる」型。四代目橘家圓蔵や三代目柳家小さんがそういう演り方をしていたことを知った三三は、四代目圓蔵の速記は見つからなかったものの三代目小さん・四代目小さんの速記を参考にしながら、自分で工夫して今の演出を作りあげた。

通常の『妾馬』では「殿様がお鶴を見初めた」というくだりはごく簡単に触れられるだけで、実質的な物語は「男子出産」で始まるが、三三『妾馬』は殿様の家来が長屋を訪れ、井戸替えをしている男に話しかけるところから始まる。家来は「大家はどこだ」とその男に聞きたいのだが、この男がやたらベラベラとしゃべりまくるのでなかなか本題に入れない。やっと聞き出した大家の居所を訪ねると、この大家がまたおしゃべりで、さっきの男が話した「豆腐屋の子どもの悪戯」について長々と話そうとするので「ブリのアラの一件はよく承知しておる」と遮り、お鶴の母親を呼びにやる。すると母親もまた「豆腐屋の子どもがブリのアラを」と話し始めるので「大家、止めろ! なぜこの長屋の者はベラベラと…」と家臣は辟易する。さらにお鶴の兄の八五郎を呼んでくると、それがさっき井戸替えをしていたおしゃべり男だった、という展開。この一連の「おしゃべり長屋」エピソードが実に面白い。

男子出産で八五郎が屋敷に呼ばれてからはトントンとテンポ良く進み、心地好い。八五郎は三太夫と「三ちゃん、八っつぁん」の仲となり(笑)、御老女とも仲良くなって機嫌良く呑み、歌を唄ったりすることも亡く殿様に「こんどうちの婆さんも呼んでやってください」と直訴、殿様は「必ずや目通り許す」と確約してから三三が地に戻り「おっかさんも後日目通りできたと申します。『妾馬』というお馴染みの一席で…」と締める。

今日は開口一番を五月に二ツ目になったばかりの柳家圭花が務めたので、仲入り後のゲストは無し。『狸賽』は『狸札』と違って前座噺ではなく二ツ目になってから演れる噺だ。

前半で大ネタを演った三三は、後半は『のめる』『錦の袈裟』と軽めの滑稽噺を二席続けて演じてお開き。『のめる』では八五郎の物わかりの悪さが、『錦の袈裟』では与太郎の可愛さが際立っていて、どちらも実に面白い。こういう噺の楽しさにこそ三三の「上手さ」が光っている。

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

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