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落語「J亭」

広瀬和生の「J亭を聴いた」第8回大手町二人会 白酒・三三(令和元年7月分)<99>

2019/08/15


第8回J亭スピンオフ

「J亭スピンオフ企画 隔月替わり二人会」、
7月25日(木)「白酒・三三」二人会。演目は以下のとおり。
 
昔昔亭全太郎『やかん』
三遊亭わん丈『近江八景』
桃月庵白酒『親子酒』
柳家三三『締め込み』
〜仲入り〜
柳家三三『お化け長屋』
桃月庵白酒『松曳き』

 
開口一番の全太郎が高座に上がったのは開演時間前の6時50分。よく聴く『やかん』とは一味違うクスグリが色々とあり、口調も達者で面白い。前座とは思えないくらいだ。
 
ゲストのわん丈が披露したのは『近江八景』。「八景に膳所はない」という言葉を知らないとサゲの意味がわからないのであまり演り手のないネタだが、滋賀(近江)出身のわん丈はこれを得意にしている。マクラで近江八景の説明が必須で、独演会などでは巨大な扇子に描かれた地図を用いることもあるが、もちろんこの日は口頭のみ。それでも「説明そのものが芸」になっているから立派だ。噺自体は、ある男が花魁からもらった手紙を大道の易者に見せて、この女と所帯を持てるか占ってもらう、というもの。ここにもわん丈は秀逸なギャグを入れている。
 
白酒の一席目は『親子酒』。息子と禁酒の約束をしたものの酒が飲みたくて仕方ない父親が女房をなだめすかして「一杯だけ」の約束で飲むことになるわけだが、そこに至るまでの女房との会話(「愛してるよ、婆さん。だから一杯だけ」「本当ですか」「本当だよ、一杯だけ」「……そっちじゃなくて」等)が白酒らしくて楽しい。ベロベロになった父と子の会話にアドリブで時事ネタ(吉本問題)を盛り込んで笑わせた。
 
三三の一席目は『締め込み』。留守宅に入った泥棒が荷造りをした途端に亭主が帰ってきたので台所の揚げ板の下に隠れ、続いて帰ってきた女房と亭主との夫婦喧嘩の仲裁に入る噺。亭主の勝手な言い草に腹を立てた女房が「あたしと一緒になったときのことをお忘れかい」と、昔どれだけ強引に自分を口説いたかを微に入り細に入り立て板のごとくまくしたてる場面が一番の聞かせどころで、三三はここの台詞を大幅に増やし、持ち前の流暢な語り口で楽しく聴かせるが、その喧嘩に至る前に女房が「やたらとベラベラ喋る女」であるという念入りな描写があるのが特徴的。泥棒の実直そうな感じも泥棒らしくなくて可笑しい。
 
仲入り後、三三の二席目は『お化け長屋』。1人目の客に語る杢兵衛の怪談が本当に怪談らしいのが三三ならでは。この「怪談らしさ」を2人目の乱暴な男にメチャクチャにされる落差の可笑しさが三三の『お化け長屋』の真骨頂。この乱暴な男が「大家は肥後の熊本で3年寝たきり」と聞いて「見舞いに行けよ!」と怒るのが妙に可笑しい。この男はあらかじめ「人の話を黙って聴くのは嫌いなんだ、手っ取り早く言葉を詰めて短くパッパッとやれ!」と宣言、なのに怪談らしさを保とうとする杢兵衛に「言葉の無駄だ」と怒る前にいきなり目を突いて杢兵衛が「いたーいっ!!」と喚くのがバカバカしくて最高。「おかみさんの胸元に手を……」という話になると喜んでにじり寄って杢兵衛の膝に乗り顔をスリつける乱暴な男のリアルにスケベそうな感じも三三ならでは。いきなり怪談口調に戻る杢兵衛に「お前、よくその口調に戻れるな」とツッコミを入れるのも笑った。「ゴーン」とか「チーン」とか先回りされて泣きべそをかく杢兵衛が可愛い。吉本ネタを入れたり『締め込み』と泥棒が重なることを指摘したりとアドリブも豊富。もともと三三の『お化け長屋』はハジケた可笑しさのある演目だったが、ますます磨きが掛かった。
 
三三の『お化け長屋』は「上」まで。白酒は『お化け長屋』を必ず「下」まで通しで演るので、ひょっとしたら「下」をリレーするかとも思ったが、さすがにそれはなく、時間が押し気味の中で高座に上がった白酒が演じたのは、時間がない時に短時間で集中的に爆笑させる鉄板ネタ『松曳き』。ケタ外れの粗忽者二人(殿と三太夫)の会話が、とにかくバカバカしくて爆笑また爆笑。「八衛門病欠にて倅、八衛門まかりこしましてござります」「面白い、親子同名か」「何が、にござりますか」「名前じゃ」「田中三太夫にござります」「そうではない、親子同名かと訊いておる」「何が、にござりますか」「名前じゃ」「田中三太夫にござりまする」の繰り返しが最高! この「真面目な顔をして暴走する」三太夫のキャラは白酒だからこそ。何度となく聴いているけど新鮮に笑える白酒十八番だ。

 

■□■BUTAKOME☆Information■□■
 
J亭 スピンオフ企画
白酒・三三・一之輔 隔月替わり 大手町二人会
 
会 場:大手町日経ホール

開演時間:19時

料 金:全席指定3,800円

※未就学児童入場不可
 

<次回公演>
※青文字はトリ

[九]2019年9月19日(木)
出演:三三・一之輔
SOLD OUT!

<今後の公演予定>

[十]2019年11月21日(木)
出演:白酒・一之輔
発売予定:2019年9月下旬

———————————————————————————–

■チケットぴあ http://pia.jp/t/
※電話予約:0570-02-9999

■オフィスエムズ http://www.mixyose.jp/
※電話予約:03-6277-7403(10:00~17:00)

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主催:サンケイリビング新聞社
共催:産経新聞社
制作:大手町アーツ

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

2018/08/06

📹【加藤和樹のエンタメCafe 番外編】〈大阪・梅田..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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