演劇・ミュージカル

インタビュー

前山剛久さんSpecialインタビュー▷シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』▷2.5次元もミュージカルも、全ジャンルやってきたことが僕の強み

2020/02/21


 

前山剛久001

撮影/吉原朱美

 
シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』(演出・上演台本:青木豪さん)で主演する前山剛久さん。オールメール(出演者が全員男性)で、前山さんが演じるのはヴァイオラという女性。双子の兄と生き別れとなり、男装して仕えた公爵に恋をしてしまう……という役どころです。2016年上演の『お気に召すまま』で前山さんがヒロインのロザリンドを演じて、群を抜く美しさが話題を集めましたが、今回は満を持しての主役。2.5次元作品やミュージカル、ストレートプレイなど幅広い分野で活躍する前山さんがシェイクスピア作品に取り組む意気込みをお聞きしました。

 

堅苦しくないシェイクスピア わかりやすさが魅力です

 
――――ワタナベエンターテインメント主催の青木豪さん演出によるシェイクスピア劇シリーズは『ヴェニスの商人』『十二夜』『お気に召すまま』に続いて今回が第4弾。どんな面白さがありますか?

 
シェイクスピアは言葉の難しさが先に立つ場合もありますが、豪さん演出の『十二夜』を客席から観たら、本当にわかりやすくて「面白いな」と思ったんです。豪さんは「“なんちゃってシェイクスピア”でいいんだよ」とお話しされていましたが、堅苦しいものでなく、わかりやすさを前面に出すところが魅力になっているんじゃないかなと思いますね。

 
――――『お気に召すまま』ではヒロイン役でしたが、今回の『十二夜』は堂々、主演としての登場です。

 
今回、ヴァイオラ役にチャレンジできることがとても嬉しい。新たなトライができることに興奮しています。『お気に召すまま』から3年経っていますが、前回豪さんに指導していただいたことも意識しながら演じることができているなと思うんです。前回はがむしゃらに熱く演じていたけれど、今回は冷静に取り組むことができている気がする。この3年に自分がちょっとでも成長したところを見せたいなと思います。

 
――――シェイクスピアを演じる上で、苦労するところは?

 
シェイクスピアの台詞は1回に喋る分量がすごく多いんです。長台詞をとうとうと語っているだけだと、自然な芝居からは乖離(かいり)してしまう。芝居がかったものになって、リアルじゃなくなってしまうんですね。だから、芝居を自分の中に落とし込んで自然に演じることが大事だなと思います。『お気に召すまま』のときは、豪さんから台詞の細かいリアクションを追求されていましたね。シェイクスピアって台詞が長いから、喋るのも難しいけれど、聞く方がより難しいんです。相手の台詞に反応して会話として成立させることが大事なんだということを叩き込まれました。この3年、ずっとそのことを考えながら芝居をしてきた気がします。

 
――――前山さんが演じるのは女性役なので、「リアルに演じる」というのもまた難しいかも。

 
そうなんです。気持ちが入ると、自然と自分の素のトーンになりがちだけれど、女性役だともっと高い声を出さないといけないし。今思うと、『お気に召すまま』のときは邪念がなかった(笑)。女の子を演じるにしてもすんなりできていた気がするんです。芝居というものに取り組んでリアルに演じることに取り組んできた分、今の方が女性役を演じる難しさは感じますね。

 

前山剛久002

 

ヴァイオラはびっくりするくらいまっすぐなんです

 
――――前山さんが演じるヴァイオラはどういうキャラクターですか?

 
びっくりするくらいまっすぐだなと思いますね。ヴァイオラだけでなく、『十二夜』の登場人物がみんなまっすぐなんですよ。『お気に召すまま』『十二夜』も女性が男装して生き延びようとする中で恋をするという点では共通していますが、『十二夜』ではみんなが自分で話を解決しないんです。みんなが他力本願というのが『お気に召すまま』と違うところなんですよね。ヴァイオラには「後のことは時の手に委ねるわ」という台詞があります。最後、登場人物たちが迎えるラストも「え、それでいいの?」(笑)という終わり方なんですよ。でも、そこがとてもリアルだなと感じます。シェイクスピア作品の中でも後期に書かれたものだから、シェイクスピアが「人間はなんでも自分の思うとおりに解決できるわけではないし、時が解決することもある」と考えるようになったのを反映しているのかもしれませんね。

 
――――共演の皆さんは若手の納谷健さん、ベテラン組では小林勝也さん、春海四方さん、阿南健治さんなど多彩なメンバーが出演されていますね。

 
本読み稽古の段階からパワフルで、色濃くて面白い。皆さんにエネルギーをいただきながら、若手なりの頑張りで追いついていきたいなと思いますね。

 
――――ヴァイオラが恋するオーシーノ公爵を演じる新納慎也さんの印象は?

 
共演するのは初めてですが、戯曲をとても理解されていて、求められているポイントをスマートにこなされている様子を見ると、ヴァイオラがオーシーノを見る感覚とダブってきます。イケメンだなあと思いますね(笑)。

 
――――前山さんが考える『十二夜』の見どころは?

 
豪さんが「芝居というのは華がある人と面白い人と芝居がうまい人が出ていればいいんです」とお話されていたんですが、本当にそういうバランスになっている座組なんじゃないかと思うんです。いい化学反応が起きて、わかりやすく面白い最高の喜劇になっているんじゃないかなと思いますね。毎シーン、全然違う面白さの場面が続くから、全体として楽しんでいただけると思います。
そうそう、僕の見どころというと、前回はなかったヴァイオラの歌のシーンがあるんです! 原作では「歌も歌えるし」という台詞があるのに、歌うシーンがでてこないという話をしていたら、豪さんが本当に歌のシーンを増やしてくださった。そこはぜひ聞いていただきたいですね。

 

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2.5次元もミュージカルも、全ジャンルやってきたことが僕の強み

 

■□■BUTAKOME☆Information ■□■
 

十二夜ポスター

 
『十二夜』
 
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:青木 豪
出演:前山剛久 新納慎也 納谷健 三好大貴/坪倉由幸 清水宏/木場允視 根本大介 宮澤和之/
阿南健治 春海四方 小林勝也
  
楽隊:ギター 助川太郎/アコーディオン佐藤芳明
 
公演日程:
■東京公演
日程:2020年3月6日(金)~22日(日)
会場:本多劇場

■大阪公演
日程:2020年3月29日(日)~31日(火)
会場:近鉄アート館
 
料金:¥8,000(全席指定/税込)
※未就学児童入場不可
 

※詳細は公式サイトをチェック!
 

【チケット発売中】

【チケットぴあ】
TEL:0570-02-9999 (Pコード:東京498-213 大阪498-225)
https://w.pia.jp/t/12th-night/

【ローソンチケット】
TEL:東京 0570-084-003、大阪 0570-084-005、共通 0570-000-407(10:00~18:00)
(Lコード:東京34800 大阪55863)
https://l-tike.com/12th-night/

【e+(イープラス)】
https://eplus.jp/12th-night/

【CNプレイガイド】※大阪公演のみ
0570-08-9999(10:00~18:00)

【カンフェティ】
TEL:0120-240-540(平日10:00~18:00)
http://confetti-web.com/12th-night

【LINEチケット】
https://ticket.line.me/sp/12th-night

【本多劇場】※東京公演のみ
窓口販売のみ(11:00~19:00)

【近鉄アート館チケットセンター】※大阪公演のみ
TEL:0570-023-300(10:00~18:00)
http://cncn.jp/art-kan/
 ※劇場窓口での前売券のお取り扱いはございません。

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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