伊礼彼方のNonstyle

『ジャンヌ』観劇レポ☆熱演!伊礼彼方スペシャルコメント

2013/09/16


ジャンヌ1

 
 フランスの英雄として名を残した聖女ジャンヌ・ダルクを描いた舞台『ジャンヌ』が世田谷パブリックシアターで好評上演中です。
 
 この舞台、主人公ジャンヌ役を演じる笹本玲奈さん以外の14名の出演者は、全員男性俳優なんですよね! その中には我らがブタコメ・ファミリー伊礼彼方さんもいらっしゃいます。ノーベル賞作家であるバーナード・ショーの傑作戯曲と呼ばれる話題作をさっそく鑑賞してきました!


 
 英仏百年戦争のさなか、「神の声を聞いた」ことによって颯爽と戦場へ向かった少女ジャンヌ。私たちが持っていたイメージは、勇敢で正義感にあふれた男勝りな少女の姿ではないでしょうか。でもこの舞台に出てくるジャンヌは、ごく普通の田舎娘。第一場で登場する笹本ジャンヌは、ドレスを着て豊かな髪をなびかせて走る美しい少女です。神を自らの“主人”と呼び、目上である領主の前に出ても臆することなく「私に鎧を!」とせまるその表情は、あまりに無邪気であっけらかん。それゆえに周囲を圧倒する、どこか神がかった不思議な力強さを放っていました。

 
ジャンヌ2

  
 その後、笹本ジャンヌは短髪となって勇ましい戦闘の装いを見せますが、この舞台では戦いのシーンは出てきません。ジャンヌと、彼女を取り巻く王様や大司教や戦友たちとの対話によって、ジャンヌの勇猛果敢な行いの経緯とその影響がスリリングに私たちに知らされていくのです。物怖じしないジャンヌの言葉に翻弄される男性陣の、狡猾かつ滑稽、優柔不断な仕種が、ところどころで笑いを誘います。でもジャンヌはつねに強い心を持っているわけではありません。時に恐ろしさに激しく泣き、また伊礼さん扮する戦友デュノアを相手に語る表情には、乙女の恋心が見えたようにも感じました。
 
ジャンヌ3 murai nakajima
 
ジャンヌ sasamoto irei2
 
 
 笹本さんは、現実的に前を見据えた引き締まった表情、何かに取り憑かれて精神に異常をきたしたかのような表情、幼い子供に戻ったかのような夢遊の表情など、さまざまなジャンヌの顔を見せて客席を魅了します。その不安定な多面性が、ジャンヌ・ダルクは決して特別な存在ではなく、私たち自身と変わらない人間であることを強く感じさせるのです。
 
ジャンヌ sasamoto murai 2
 
 後半、ジャンヌがイギリス側に引き渡され、異端者として宗教裁判にかけられる場面は緊張の山場です。村井國夫さん扮する司教コーションや、中嶋しゅうさん扮する審問官ルメートルなど男性陣に囲まれ、厳しい言葉を突きつけられるジャンヌ。
 
ジャンヌ sasamoto murai nakajima oosawa
 
ジャンヌ sasamoto others
 
  
 ついには火刑台に送られて……。多くの人が知っているジャンヌ・ダルクの物語はここで終わりますが、舞台はこの後、エピローグへと突入します。しかしっ! ここがエピローグにしてはあまりにも作品の肝となる、重要で濃密な最終章となっています。鵜山仁さんの演出手腕に感嘆!「えっ、こうなるとは!」とこれまでの劇空間が様変わりする驚きは、ぜひとも劇場で直に味わっていただきたいと思います。

 

熱演!伊礼彼方☆スペシャルコメント 

 終演後は、デュノア役を凛々しく好演していた伊礼彼方さんにコメントをいただいてきましたよ! ジャンヌを囲む人々の中で、デュノアは最も彼女と心を通わせ、真摯に向き合う人物です。いずれ劣らぬ芸達者の男優陣のなか、温かみのある低音ボイスと美しい立ち姿で、芯のある表現を見せてくれました。
 
「面白いなと思うのは、稽古場で迷っていたことを、本番でお客さんが教えてくれるように感じるんですよね。緊張はするんですけど、舞台に出ると冷静になれる。お客さんからエネルギーをもらっているのだと思います」
開口一番、そう語った伊礼さん。

村井さんや中嶋さん、小林勝也さんなど大ベテランの方々と同じ舞台に立つことに喜びを感じながらも、やはりそのプレッシャーは大きかったそうです。

「どんなに頑張っても経験には勝てないと実感しました。でも、こんなに経験を積んだ方々も、皆ゼロから作品を作るので、やっぱり悩み、苦しむんですよね。先輩方が苦しんで作っていく過程を見ることができたのは、すごく励みになりました。自分はまだまだ。でも、まだまだ先があるぞ、という希望が見えたんです。
 稽古している時から面白さを感じてはいましたが、幕が開いて、あらためてこんなに面白い作品なんだ!と思いました。それもお客さんに教えてもらったんだなと。難しいんじゃないかと思っている方もいると思いますが、意外に現代に通じるものがたくさん込められている話です。優柔不断な男たちがたくさん出てきますので(笑)、男性は自分の欠点を見せられているような気になるかもしれない。女性は、自分の思い描く理想をみつけて勇気をもらえるんじゃないかな。ぜひ多くの方に観ていただいて、いろんなものを感じ取っていただきたいと思います」

 

 休憩を入れて3時間を越える大作ですが、始まりから衝撃のエピローグまで、グイグイと引き込まれて時間の長さをまったく感じませんでした。今を生きる私たちに多くの問いを投げかける、興奮の話題作をぜひお見逃しなく!

 

取材・文/上野紀子
撮  影/谷古宇 正彦
写真提供/世田谷パブリックシアター

 

□■BUTAKOME Information■□

伊礼彼方 お寺 速報 ジャンヌチラシ

『ジャンヌ』

公演日程:2013年9月5日(木)~24日(火)
劇場:世田谷パブリックシアター
出演:笹本玲奈、今井朋彦、伊礼彼方、大沢健、浅野雅博、馬場徹、小林勝也、中嶋しゅう、村井國夫 ほか

※公演スケジュール、購入方法など詳細はコチラから

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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