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舞台版「大奥」初日プレビュー

2010/06/09


舞台版「大奥」初日プレビュー
臨場感あふれる絢爛な女絵巻に酔いしれて

BUTAKOME

写真提供/明治座

ブタコメ“スリーアミーゴス”ライターKです!

 大奥、そこは愛と嫉妬が渦巻く女の牢獄-。
6月2日、初演から3年を経て新たによみがえった舞台版「大奥」が初日を迎えました。

 将軍・徳川家の血筋を守るためだけに作られた女の世界の濃厚な愛憎劇を描き、多くの女性から絶大な支持を得たスーパー時代劇「大奥」。
2003年のテレビドラマ放送を皮切りに、2006年に映画化。続く2007年には舞台化され、その際には何と計6万人の観客を動員し、明治座の記録を塗り替えたのだとか。
なぜ、「大奥」がこれほどまでに世の女性たちの心をつかんで離さないのか。
それを探るべく、6月2日午前11時から行われた初日舞台公開に潜入してきました。

 まず、幕前に登場したのはおなじみの“スリーアミーゴス”
「大奥」名物ともいえる絶妙な掛け合いで客席を和ませた後、何と太神楽を披露!
見事な芸と、「美味でございます~」の決め台詞で幕が開き…
目の前に広がったのは、まばゆいばかりの豪華絢爛な別世界。
時間も空間も超えて、まるで絵巻の中へ入り込んだような臨場感!
桜舞う中庭で、蝶のように着飾った女たちが舞い踊る姿の美しさに、しょっぱなからノックアウトされてしまいました。

 この舞台の物語は、テレビドラマの第1シリーズ後半とほぼ同じ。
ペリー来航で騒然とする江戸時代末期、朝廷と結びつくことで幕府の権力を強めようと、第十四代将軍・家茂のもとへ皇女・和宮が降嫁するところから始まります。

家茂の生母・実成院を演じているのは、「大奥」初参加の多岐川裕美さん。
大奥の権力者としてわがまま放題に振舞う実成院を、圧倒的な存在感で表現しています。
 そこへ現れるのが、浅野ゆう子さん演じる大奥総取締・瀧山。
奥女中を引き連れて花道を歩き、艶やかに観客を振り返って豪奢な打掛を披露する瀧山に、割れんばかりの拍手が巻き起こります。

そう、この舞台の見どころのひとつが、女優陣が身にまとう衣装の数々なのです。
役柄に合わせてデザインされ、職人が丹精込めて製作した打掛は、金糸・銀糸の刺しゅうを細部にまでほどこしたものや、色箔で丁寧に文様を描いたものなど、贅を尽くした逸品ぞろい。
総額2億円とも言われる衣装の競演はファッションショーさながらで、見ているだけでゴージャスな気分に。
着物好きの女性には、この上ない眼福です。

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 そして物語は、大奥のしきたりになじめない和宮と実成院の嫁姑対立、乱れた大奥の秩序を正そうとする瀧山と権力を誇示する実成院の対立を中心に進んでいきます。
そこから鮮やかに浮かび上がってくるのは、信念に支えられた女の強さと、強さの背後にある哀しさなのでした。
 例えば、瀧山。
「徳川家、そして幕府のため」と、大奥を守る“鬼”になることを自分に課し、私情を捨てて指揮をとりますが、鬼に徹しきれないのが瀧山の哀しさ。
鬼であるはずの心が揺らぐとき、今は亡き第十三代将軍・家定の影と対話しながら、瀧山は迷いや苦しみをたった一人でかみ締めるのです。
そんな彼女が出会うのが、かつて慕っていた家定と瓜二つの僧侶・柳丈。
この邂逅がある事件の発端となり、物語のクライマックスを、より奥深いものへ昇華していきます。
 一方、将軍・家茂を溺愛し、将軍の生母としての信念(=プライド)を振りかざす実成院もまた、母としての弱さを抱えています。
愛する息子との別れの場面で、「天下人の母であるならば、お覚悟めされい!」と瀧山に一喝されて泣き崩れる姿には、権力者の強さはみじんもなく、切ない母の愛だけがひしひしと伝わってきます。
 さらに、実成院から嫁いびりをされながらも将軍との純粋な愛を貫こうとする和宮(安達祐実さん)、尊敬と嫉妬の念を瀧山に抱く大奥総取締代理・初島(中山忍さん)と、さまざまな女の人生が縦横に入り混じり、時代のうねりに巻き込まれていきます。
長編にも関わらず、スピーディーな場面展開で飽きさせず、ときには“スリーアミーゴス”の笑いがほど良いスパイスになって、一瞬たりとも舞台から目を離すことができません。

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この舞台で初めて「大奥」に触れるという人も、豪華絢爛な女絵巻を心ゆくまで堪能できるはず。
あえて言えば、女としての人生経験を積んできた40代、50代以上の方にぜひ一度見てほしい!
登場人物にかつての自分を重ねたり、過ごしてきた日々の中で出会った“瀧山”や“実成院”を思い返したり…。
きっと、より豊かにこの「大奥」の世界を楽しめるのではないでしょうか。

 

【初日公演直後の囲み取材
三大女優インタビュー】

 初日公演終了後、マスコミ向けの囲み取材が行われました。
取材陣の前に登場してくれたのは、実成院役の多岐川裕美さん、和宮役の安達祐実さん、そして瀧山役の浅野ゆう子さんです。

浅野さんが着用していたのはカーテンコールで身にまとうスペシャルな打掛で、京刺しゅう、手染めの総友禅、プラチナ箔といった匠の技を駆使。
さらに孔雀のモチーフをイタリアのジュエリーブランド「ダミアーニ」のダイヤモンドで装飾しており、総額1億円以上!
舞台の上でもスポットライトを浴びて、特別な輝きを放っていました。

 初日を終えた感想について、「稽古が始まってから、あっという間に今日という日を迎えた感じです」浅野さん。

安達祐実さんは「すごく楽しかった! お客さまの前で大奥を演じるのは充実感がありますね」とニッコリ。

この舞台で初「大奥」となる多岐川裕美さんは、「装置も衣装も豪華で素晴らしいです。舞台には段差があって、慣れるまで少し怖かったですが(笑)」と話してくれました。

BUTAKOME 「テレビと違って舞台はNGができませんし、いつもお客さまに全身を見られている緊張感があります」浅野さん。
特に着物の裾さばきが難しく、「着物を美しく見せる所作が大変でした」とのこと。

ちなみに、浅野さんのカーテンコール用豪華打掛は初日を迎えるまで厳重に保管されており、出演者もこの日、初めて実物を目にしたのだそう。

 「大奥の人気の理由はきっと、一生懸命に生きる女たちの姿が時代を越えて共感できるものだからでしょうね。今回、実成院役に多岐川さんを迎えて、安達祐実ちゃんとの“ダブルゆみちゃん”で前回の舞台より一段とパワーアップしています。見ごたえ十分の舞台版大奥を、ぜひご覧ください!」(浅野さん)

明日6/10は「VS嵐」で大奥チームが大活躍!!
絶対見てね!!

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■公演の詳細はコチラ

※画像およびテキストの転載を禁止します。

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2018/12/27

尾上松也さんSpecialインタビュー▷平成最後の『新春浅草歌舞伎』..

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1985年1月30日生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。
5歳で『伽羅先代萩』の鶴千代役にて、二代目尾上松也の名で初舞台。様々な分野で活躍し、歌舞伎公演以外にも活動の幅を広げている。09年より歌舞伎自主公演『挑む』を主催。歌舞伎公演以外の主な出演作に舞台:『ロミオ&ジュリエット』、『スリル・ミー』、『アンタッチャブル』、『男の花道』、『騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談』、TVドラマ「天地人」、「永遠の0」、映画「源氏物語」ほか。今年は6月からはミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役としての出演。8月8日には7回目の歌舞伎自主公演『挑む ~更なる幕へ勇みし気迫(こころ)~』を神奈川芸術劇場にて開催する。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト
【Official blog】松也日記(アメブロ公式)  
【自主公演サイト】挑むオフィシャルホームページ  

2018/08/06

📹【加藤和樹のエンタメCafe 番外編】〈大阪・梅田..

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1984年10月7日生まれ。愛知県出身。現在、LIVEや舞台・ミュージカルなどに参加幅広いファン層に支持され、歌手・俳優としても各界で注目を浴びている。

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。
日本や韓国・台湾・中国でのCDリリースの他、自身のアルバムなどのTOURである「LIVE“GIG”TOUR」とラジオ公開放送のように投稿メールとリクエストを中心に構成されている「“KK−STATION”TOUR」や、日本武道館や日比谷野外音楽堂、アジア圏でも単独ライブを開催するなど精力的に活動。

同時に俳優としても活動しており、ドラマ「仮面ライダーカブト」「ホタルノヒカリ」「インディゴの夜」「赤い糸の女」「乾杯戦士アフターV」などに出演するほか、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN」桔梗役や時代劇アニメ「義風堂々」石田三成役、ゲーム「戦場の円舞曲」「イケメン戦国」「B-Project」などで声優としても活躍。

近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』や『タイタニック』など大型ミュージカルにも出演。2016年4月・5月『1789 バスティーユの恋人たち』で帝劇初主演、9月~10月『真田十勇士』霧隠才蔵役に挑む。2017年1月ミュージカル『フランケンシュタイン』に出演決定。

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2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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