演劇・ミュージカル

インタビュー

海宝直人さんロングインタビュー<前編>ミュージカル『ポストマン』で2017年ラストを飾る

2017/12/29


海宝直人
 

全身全霊でやるからこそお客様に響く

 
――劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』日本初演キャストとして2016年12月からカジモド役で出演された海宝さん。2017年はカジモドから始まり、東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役で東京・福岡・大阪・名古屋公演に出演。大作ミュージカルの出演が続いた1年でした。どんな年でしたか?

 怒涛のような年でしたね。駆け抜けた1年だったなと思います。

 
――2度目のご出演となった『レ・ミゼラブル』ですが、前回とは海宝さんのマリウスの印象が変わった気がします。

 そうですね、ロンドンカンパニーの演出補のエイドリアン(・サープル)が作品のベクトルを変えていて、新しいキャラクターに出会う感覚でした。エイドリアンはそれぞれの役者に対して幅広いアプローチを認めて下さって演劇的に稽古を進めてくださるんです。

 
――今回のマリウスのポイントは?

 (コゼットと愛を語り合う)「プリュメ街」など、情熱的でハッピーな部分が色濃くなっているので、(革命を起こす)砦の場面、そして最後のシーンとどういう旅路をしていけば、ラストにバルジャンからコゼットを託される希望の存在になれるかという部分を大切に演じていました。

 
――確かに今回は、プリュメ街で恋の喜びのあまりジャンプする海宝さんマリウスが見られましたからね(笑)。

 そうですね(笑)。そこにリアリティが必要ですし、そこからの流れをどうリアルに演じるかというのが課題でした。

 
――そして、『レ・ミゼラブル』の大阪公演と名古屋公演の間に、『ノートルダムの鐘』の京都公演に2週間出演したというのも驚きでした。

 カジモドは体力的に大変な役なので、2週間僕がキャストに入るだけで他のキャストの方の負担が減るんです。『ノートルダムの鐘』だからこそですね。

 
――マリウスから『ノートルダムの鐘』のカジモドへの切り替えは?

 それに関してはお互いにいい影響を与えたなという感覚があるんです。『ノートルダムの鐘』が終わって『レ・ミゼラブル』の稽古に入ったときも切り替えが大変で、光夫さんから「カジモドじゃないか」とからかわれたりしたんですが(笑)。試行錯誤しながら『レ・ミゼラブル』の本番を迎えて。7月に京都の『ノートルダムの鐘』に向けての通し稽古に参加したんですが、それがすごく楽しかったんです。限界を超える役柄のヒリヒリする感覚や、「もうこれ以上息が続かない」となってからの2秒の緊張感が心地よかった。

 マリウスの役作りをしているとき、マリウスの起伏のある人生をどう演じようかと模索していたんです。カジモドの通し稽古を経て、カジモドとは違う感覚で感情の幅や起伏が広がったんだなと感じました。だからマリウスとカジモドを交互に演じることは、京都でもいい相互作用があった気がします。まあ、多少無理はあったかもしれないですけど(笑)、やれてよかったなと思いました。

 
――ノートルダムの鐘つき男で醜い容貌のカジモド。抑圧された中のわずかな希望に胸を突かれます。海宝さんにとってカジモドはどんな位置づけになっていますか。

 自分にとっては大きなターニングポイントになった役ですね。終演後の疲労感はすごいですけど、役の感覚に自分自身が重なって、全身全霊を賭けてやる価値がある作品だなと思うんです。全身全霊でやるからこそお客様にも響くんだと思う。自分にとっては本当に大切な作品ですね。

 

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2017年の海宝さんの誕生日は……!?

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

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