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【BWAY特派員・辛源の「第70回トニー賞」ノミネート作品レポート】Vol.2 ミュージカル『ウェイトレス』

2016/06/09


 

 
さて、『Waitress』では、比喩を使った興味深い演出技法が用いられています。それは、ジェナが作るパイにからめた表現です。ジェナは毎日ダイナーで<その日限りの特製パイ>を作るのですが、その日の気分を表した名前をつけます。例えば<私は夫が大嫌いパイ>や<大変なことになっちゃったよパイ>、<浮気しちゃてるけどもういいやパイ>*筆者訳。甘いものも辛いものも、材料も全てその時の気分次第。ジェナの身に何かが起こると、決まって新しいパイを頭の中で発明していきます。次第にパイがジェナの気持ちを代弁する媒体となり、後半のクライマックス曲「She Used to Be Mine」につながっていきます。

 
こちら(▼)は作詞・作曲家のサラさん自身が歌ったバージョン。是非、聞いてみてください!

 

DVなどの重いテーマを扱いながらも、終始テンポよく、コメディー色豊かで、誰もが共感できる作品でした。

 
それにしても、『マディソン郡の橋』といい、『ウェイトレス』といい、一般的には不道徳とされる不倫真っ只中の主人公たちなのに、なぜか応援してしまう作品です。

「人生は複雑で、若い時の決断ゆえ置かれている現状が、実は今の自分の望むことではない」

という点が共通し、観る人はそこに共感するのかもしれません。作中、Keala Settleが演じる3枚目キャラのベッキーのセリフで、ジェナに、ダイナーのマスターとの浮気を問い詰められた時の返事。

「(不倫するくらいなら)なぜダンナと別れないかって?結婚30年目にして寝たきりのダンナと離婚する冷たい女がどこにいるのよ?!(*筆者訳)」。

客席からは大きなため息と笑いが起きました。

映画や小説でよくあったテーマが、ミュージカルでも見られるようになってきたということは、ミュージカルが本当の意味で現実を反映する等身大なアートになってきたということの表れだと思います。この流れ、僕、嫌いじゃないです。

 

BWAY特派員・辛源

 

 
■特派員・辛源の「第70回トニー賞」ノミネート作品レポート
Vol.1 『ハミルトン』

 

辛源(Shin Gen)

 

SHINGEN0601

 
イギリスと韓国の両親のもとロンドンで生まれる。中学・高校時代を神戸で過ごし、17歳の時、1年間韓国の高校へ留学。早稲田大学卒。
2008年、東宝シアタークリエにてブロードウェイミュージカル『RENT』でエンジェル役として舞台デビュー。以来、『ロッキーホラーショー』『MITSUKO〜愛は国境を越えて〜』『ドラキュラ』『ネクスト・トゥ・ノーマル』『BARE』等に出演。
2012年、ニューヨークのT. Schreiber Studio正規課程を修了後、アーティストグリーンカードを取得。ニューヨークの事務所と契約し、ニューヨークフリンジフェスティバル、『The History Boys』『167 Tongues』『Miss Saigon(Thuy役、Playhouse on the Square劇場)』等をはじめ、現地にて舞台に積極的に出演中。
舞台の他にSAMSUNG、SONY、 ABC-マート、アサヒ、グリコ等のCMに出演。NHKの北米向け情報番組「テレビジャパンCLUB」のメインキャスター。ミュージカルワークショッププロジェクト「ブロードウェイ・イン・ジャパン」副代表。

ウェブサイト:www.genshinactor.net
公式Twitter

 
※関連ページ
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2019/09/01

【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.43(後編)】稲垣吾郎×中井..

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
【Official HP】 中井美穂 INFORMATION
【Official blog】中井美穂(アメブロ公式)

2019/09/30

【早霧せいなのビタミン“S”】其の十八.「自然を直に感じること」

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

2019/06/07

尾上松也さんSpecialインタビュー▷第二回『百傾繚乱』8月24日..

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

2018/11/20

【柳亭こみちのちょいと一回のつもりで聴いて】Vol.7「女のお喋り」

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東村山市出身。2003年、七代目柳亭燕路に入門。前座名「こみち」。2006年、「こみち」のまま二ツ目昇進。2017年、「こみち」のまま真打昇進。歌って踊れて落語のできる女、老若男女から友達になりたいと思われるような噺家を目指している。亭主は漫才師「宮田陽・昇」の宮田昇。漫才師と落語家の夫婦は史上初。二児の母として真打に昇進したのも、落語史上初。「落語坐こみち堂」「なかの坐こみち堂」をはじめ、日々多数の落語会に出演し、ナレーション、講演活動、執筆活動、学校寄席への出演も多々。こみちが大きな出世街道となるよう、鋭意奮闘中
【Official HP】 こみちの路

2018/02/23

【木ノ下裕一の歌舞伎の“ツボ”】 Vol.8『勧進帳』

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木ノ下歌舞伎 主宰
1985年7月4日、和歌山生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時に独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学ぶ。2006年に古典演目上演の演出や補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
『黒塚』(’13)、『東海道四谷怪談—通し上演—』(’13)、『三人吉三』(’14)、『心中天の網島』(’15)、『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』』(’16)
2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。
その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2015年3月に博士号(芸術博士)取得。

【Official HP】木ノ下歌舞伎 公式サイト
【Official Twitter】木ノ下裕一 Twitter

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