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演劇ライター・大原薫のBwayミュージカルレポート2017◎第1弾◎『スリル・ミー』12周年記念再結集コンサート

2017/10/30


 

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常に世界のエンターテイメントシーンをリードするニューヨーク、ブロードウェイ。今年もブロードウェイの最新情報をお届けする連載が始まります!

2017年の第1弾は8月28日に行われた『スリル・ミー』12周年記念再結集コンサートの模様をレポートします。あわせて、『スリル・ミー』の作者でありオリジナルキャストであるステファン・ドルギノフさんから日本のファンへのメッセージをお届けします!


 
1924年に起きた誘拐殺人事件を元としたオフブロードウェイ・ミュージカル『スリル・ミー』。登場人物はわずか二人。一本のピアノの伴奏だけで、二人の少年の究極の愛と罪を描く作品は日本でも爆発的な人気を得て、2011年の初演以来、再演が繰り返されている人気作品だ。

 
作詞・作曲・台本を手掛けたのはステファン・ドルギノフさんネイサン役(日本版役名は「私」)のオリジナルキャストでもある。オフブロードウェイでの初演以来12周年を記念して、オリジナルキャストのドルギノフさんとダグ・クリーガーさん(リチャード=日本版の「彼」役)が再集結するコンサートが行われた。

 
オリジナルキャストのドルギノフさんがネイサンを演じているのを見るのは、もちろん私は初めてだ。『スリル・ミー』を愛するファンの人たちが「久しぶり!」と口々に挨拶を交わしているのが聞こえる中で、緊張の内に開幕を待った。

 
劇場はチェルシー地区にある小劇場「ザ・セル」。日本版初演が行われたアトリエ・フォンテーヌくらいの大きさの劇場だ。客席から数10センチ上がった真四角なアクティングスペースに黒い椅子が2台並んでいる。上手側にはピアノ。

 

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開幕前には、今回のコンサートを後援するニューヨークシアターバーンのプロデューサーから挨拶があった。ニューヨークシアターバーンはドルギノフさんの新作ミュージカル『モンスター・メイカーズ』にも関わっていること、『スリル・ミー』は2005年に8週間の予定で初演されたが3回も延長されたこと、ドラマディスク賞にノミネートされたとき『ジャージー・ボーイズ』も同時にノミネートされていたこと、16か国で150以上のプロダクションで上演されていることなどが紹介された。

 
空間を切り裂くようなピアノの響きから、『スリル・ミー』が始まった。「再結集コンサート」というアナウンスのみがされていて、どういうような形態で上演されるかはわかっていなかったのだが、実際幕を開けてみれば、台詞も歌もノーカット。二人で椅子を動かしながら演じる位置を変えつつ、様々な動きも交えて(演出はジョー・バロースさん)、完全に本編同様に演じるものだった。なぜ「コンサート」という呼び方にしたかというと、リチャード役のクリーガーさんが台本を手にして、リーディング形式で演じていたからだろう。ドルギノフさんは台本を持たず、完全にネイサンになり切って演じていた。

 
上手側の階段からゆっくり降りてきたドルギノフさんのネイサン。仮釈放審議会の席で、自分とリチャードが起こした34年前の殺人事件について話し始めるところから物語は始まる。過去を回顧する「WHY」の深い歌声に自然と『スリル・ミー』の世界に誘い込まれていった。
回想シーンでは一転して初々しい少年ネイサンに。現在のドルギノフさんはあごひげを蓄えていらっしゃるのだが、目をキラキラと輝かせながら演じる姿に、いつしかあごひげも気にならなくなった。

 

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舞台写真提供/ステファン・ドルギノフ

 
リチャードを演じるクリーガーさんは初演時の写真と比べると貫禄を増しているよう。二人が互いに縛り合い、罪を犯すに至る緊迫感が狭い空間に充満した。一方で「NOTHING LIKE A FIRE」の繊細な美しさの表現は、作品の生みの親であるドルギノフさんならではのものだろう。

 
先ほど『スリル・ミー』ファンが多く集まった、と書いたがニューヨークシアターバーンの初見のお客様も後列にいたのだろうか。思いもよらないところで(リチャードが「弟を殺す」と言うところや、殺人罪で収監されて「99年一緒だ」と言うところなど)笑いが起こるのにはびっくりした。全般的には二人が生み出す濃密な世界に圧倒された100分間だった。

 

<次のページ>
そして衝撃のラストシーンは…

 

 
 

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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