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演劇ライター・大原薫のBwayミュージカルレポート2017◎第3弾◎ ベット・ミドラーが圧倒的なスター・パワーを見せる『ハロー・ドーリー!』

2017/12/31


 

ハロー・ドーリー!

 
2017年のブロードウェイ上演作品でもっともチケットが手に入らない作品の一つ『ハロー・ドーリー!』。国民的スターのベット・ミドラーが主演。真のスターがどれほど観客を幸せにするのか? スターと観客が共に生み出す特別な世界に酔いしれた一晩をレポート!

映画『フォーエヴァーフレンズ』『ローズ』『ジプシー』などで有名なアメリカの国民的な女優であり歌手のベット・ミドラー。1960年半ばから舞台に立つ彼女がついにブロードウェイに戻ってきた! チケット発売初日の売り上げが史上最高を記録するほどの人気を呼び、今も満席が続いている(ベット・ミドラーの出演は2018年1月14日まで。その後はバーナデット・ピータースがドーリーを演じる)

 

ハロー・ドーリー!

 

『ハロー・ドーリー!』は19世紀後半のニューヨークで仲人業を営んでいる、お節介で面倒見のいい未亡人ドーリーが主人公。お金持ちのホレスの結婚の仲介をしているうちに、いつの間にかホレスが好きになってしまう……。1964年に初演され、バーブラ・ストライサンドの映画版も有名なミュージカルコメディだ。2017年トニー賞ではミュージカル部門のリバイバル作品賞、主演女優賞(ベット・ミドラー)他、計4部門を受賞した。

 

ハロ・ドーリー!

 

上演されているシューバート劇場の看板は「ハロー・ドーリー!」という文字とまったく大きさで「ベット・ミドラー」の文字が並ぶ。これは極めて異例なこと。

当日の客席は「貴重なチケットを手に入れた」という高揚感にあふれていた。私がなんとか手に入れたのは下手側のボックス席。オーバーチュアが終わり、オープニングナンバーの最後にドーリーに扮したベット・ミドラーが登場した途端、客席が揺るがんばかりの大喝采が巻き起こった。客席中の誰もが待ち望んだ瞬間。ボックス席から客席を俯瞰しながら見て、「スターのパワーはこれだけ人を幸せにすることができるのか」と思わず涙がこぼれた。

 

ハロー・ドーリー!

 

場面は進み、ベットのコミカルな演技がテンポよく観客を笑わせる。日本で言うなら松竹新喜劇を見ているような、「ドカン」という擬音がぴったりの爆笑が起こるのだ。一番おかしかったのは、後半にドーリーが一人レストランでデザートを食べている場面だろう。一口一口を余すところなく味わい尽くす様子を「顔芸」ともいえるような豊かな表情で見せる。人が何かを食べる場面でこんなに笑ったことはない。

また、有名な「ハロー・ドーリー!」のナンバーでは、久しぶりに訪れたレストランで歓待されるドーリーが、レストランのウェイターらを引き連れて銀橋(エプロンステージ)を何度も通り、大パレードを繰り広げる。華やかな祝祭感があふれた。

 

ハロー・ドーリー!

 

しかし、もちろん明るく笑わせるだけの舞台ではない。1幕最後近くに歌う”Before The Parade Passes By”が感動的だった。前向きに振る舞ってはいるが、周りを見て自分はこれでいいのかと思うことも。でも、「パレードが終わる前に、一歩前に踏み出さなければ」と涙を浮かべながら力強く歌うドーリー。ベット・ミドラー71歳(今は72歳)の渾身の歌声に勇気づけられる。

 

ハロー・ドーリー!

 

テンポの良い演出、センスの良い振付、助演陣も達者だ(3組の恋人たちのうちの1人、テイラー・トレンシュは1月から、『ディア・エヴァン・ハンセン』ベン・プラット卒業後のエヴァン役を演じることが決定している)。だが、『ハロー・ドーリー!』で一番印象に残るのはスターの持つ力のすごさだ。そして、観客の盛り上がり。
日本では感じたことがないほどの「この人を待っていた!」という客席の強いエネルギー。それを受け止め、さらに上回るパワーと圧倒的なオーラでパフォーマンスを観客に届けるベット・ミドラー。そこにはスターと客席が創り出す、一つの「宇宙」があった。

見終わった観客は誰もが上気した表情で、あるいは「ハロー・ドーリー!」を口ずさみながら家路に着く。
人生にいくつもない、熱狂と感動の瞬間が生み出されるのがブロードウェイのすごさ。まさに「ワン・アンド・オンリー」の経験ができるところなのだ。

 

ハロー・ドーリー!

 

文・写真/演劇ライター 大原 薫

 

大原 薫(Kaoru Ohara)■
プロフィール
演劇ライターとして雑誌(BEST STAGE、Sparkle、STAGE NAVI、ミュージカルなど)や公演パンフレットなどで執筆。ラミン・カリムルー、レア・サロンガ、シンディ・ローパー、ハーヴェイ・ファイアスタインなど海外ミュージカルスター・クリエイターにも精力的に取材する。ブロードウェイミュージカルの魅力に惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝える。テレビ番組『アカデミーナイトG』に「4000本以上を観劇したカリスマ演劇ライター」として出演、ミュージカル『ビリー・エリオット』の魅力を熱弁した。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び!

 

『Hello, Dolly!』

 
Book:MICHAEL STEWART
MUSIC AND LYRICS:JERRY HERMAN
ORIGINAL DIRECTOR & CHOREOGRAPHER:GOWER CHAMPION
 
Cast:BETTE MIDLER ほか

 
時間:基本スケジュール
火・水・土 14:00・20:00 / 木 19:00 / 金 20:00 / 日 15:00 / 月 休演日
 
劇場:Shubert Theatre(シューベルト劇場)
225 West 44th Street(Broadway と8th Aveの間)(Map)

 
※『Hello, Dolly!』公式サイト

 
【BUTAKOME☆BWAY観劇ナビ】
日本で&NYで! 簡単・お得なブロードウェイチケット購入法ページをCheck it!

 
 

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。
退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

【Official HP】https://seinasagiri.com/
【Official Instagram】seinasagiri_official

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト

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ブタコメ編集部

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